車のない生活の試み――ドイツのある地域の話
2009年 05月 28日
少し前になりますが、In German Suburb, Life Goes On Without Cars
(5月12日)という記事で紹介されていました。
フランスとスイスの国境近くにあるフライブルグの郊外のVaubanという
地域では、車のない(car-free)社会を実現しています。
ここでは、路上駐車や家に駐車場を持つことが、基本的に禁止されています。
もちろん車を持ってもいいのですが、駐車できるスペースはその地域に2箇所
しかなく、4万ドル(約400万円)でそのスペースを購入しないといけないとのこと。
その結果、この地域に住む70%の人が車を持たず、この地域に引っ越すために
57%の人が車を処分したそうです。
Vaubanは、2006年に実験的に政策で作られた地域(現在5500人が在住)。
このような郊外の生活と車を切り離す試みで、Smart Planningと呼ばれています。
この動きはここだけではなく、アメリカでも起きていて、カリフォルニアにはVaubanに
似た地域(Quarry Villageと呼ぶそう)があり、イギリスなどでも本腰を入れて取り
組み始めています。
これまでの郊外の都市計画は、離れた場所に大きなショッピングモールを作り、
そこに車で出かけるというのを想定していました。ただ、今後は公共の交通機関で
行ける場所に商業施設を建設するように、計画を変えていかなければいけないと
言います。
車が排出される二酸化炭素が環境に与える影響を考慮した取り組みですね。
こんな地域を政策で作ってしまうなんて、すごいと思いつつ、これからはこういう
地域が増えていくのかもしれないと感じたのでした。