アマプロ株式会社代表 林正愛が日々感じていることをつづります


by りんちゃん
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ベンチャーキャピタル50社に断られる―オイシックス高島宏平さんの話

KMD(慶応メディアデザイン研究科)の授業でイノベーターセミナー
というのがあるのですが、先日オイシックスの高島宏平社長がいらっ
しゃり、話をしてくれました。
オイシックスは有機野菜の宅配を行う会社ですが、いろいろな思いがあり、
苦労があり、興味深い話をたくさん聞くことができました。
気になったことをご紹介します。
(写真がないのですが、それは仕事で授業に行けず、自宅でアーカイブを
見たからです。アーカイブで見てもいいという制度があるのです。)
ちょっと長くなりそうですが、ご理解いただけたら幸いです。

○生産者の論理ではなく、お客様の視点に立ち、よいものをできるだけ
便利な形でお届けしたかった。
農家に優しく→消費者に優しくを目指した。

○「つくった人が自分の子どもに食べさせることができる」というコンセプト

○第三者委員会というのを設置し、翌月売りたい商品について審査を
する仕組みを作っている。多くの会社がルールはあるが、ルールを守り
続けるための仕掛けがない

○食の安全は変な言葉?!
食べていいものとは、食べてはいけない食べ物があるということ? 
それは何ものか?
食べていいものというのが大前提としてある。食の安全性を気にしないで

○お客さまごとに3つのHPを用意。
①最初の人はウィンドウショッピングをしすぎると、買わない。
最初の人には訪れるページを限っている。
②時々買う人。買う理由を提案してあげる、送料のキャンペーン、クーポン
をつける
③定期的に買う人
今まで買ったことがない、喜んでいただけそうなものを提案&時間を
かけずに変える仕組みを作る。
(人の数分のHPがあることになる。)
パーソナライズの度合いは高い。
→なぜこのような考えに至ったか。
サービス立ち上げの頃から考え方としてはあった。みのもんたさんが
ある日これがいいというと買う、別の日にあれがいいとあれを買う。
「まいみのもんた」といったコンセプト。
インターネットなら、個人個人に向けてパーソナライズは可能という
ことは、当初から思ってたが、何のパーソナライズがいいのかを検討
していた。どういう提案なら受け入れられるか、3,4年分析をしなが
ら考え、今のやり方にたどり着いた。

○家族からのレコメンデーションがあると、リピート率が上がる。
旦那さんや家族、子供、などが反応してくれると、リピート率が上がる

○スマホの売り上げが伸びているが、PCで注文して、スマホで追加で
買うというのが多い。PCとスマホを一緒にしてシームレスなサービス
を提供することを目指す。

○なぜマッキンゼーをやめて会社を立ち上げたのか。
ネットに触れたときに衝撃を受け、これを使ったビジネスをやりたいと
最初から思っていた(マッキンゼーに入社したときに起業したいと言った)。
①食品流通とITとの高い親和性
②何を食べていいかわからない食品の安全性の不安感と、現時点の解決策不満
③競争(同業他社)の少ない領域
④アメリカのネットベンチャー等でも成功事例なし

○何のために
インターネットを使って世の中に役立つことをしたい、と思っていた。
衣食住の根本的なことをインターネットでやってみたいと感じていた。
テクノロジーによって、世の中が変えられる側にみんながなれると感じた。
会社を辞める前に創業メンバーと毎週末集まってミーティングした。

○現場からニーズをくみ取る。
現場が好き。どういう無駄があるのか、農家や利用者に聞きに行く。
月に1回お客さんの家にも行き、どこでPCを見て、子どもをあやしながら
料理をし、片づけをしているか、つぶさに観察する。
現場に行くことで、
①自分たちの存在する意義を発見する
②なんとかしなくてはという思いを持つ
生産者のところにも行き、どういう思いを持っているのか、どう働いて
いるのか、聞く。

○資金について
最初の3年間は資金繰りが大変だった。
ベンチャーキャピタル年鑑を見て片っぱしから電話したけれど、断られた。
ただ途中途中で救世主のような人が現れて、どうにか乗り切ったとか。
ベンチャーキャピタルに何が問題ですか?と聞くと「問題は社長です」
と言われたい。
精神的に答えるけれど、「気にしてはいけない」と自分を奮い立たせた。
50社は行き、断られた。
最後のほうになってやっとコツがわかった。

○プロモーションする費用がない
雑誌媒体がどうネット化しようか悩んでいた時期で、自分たちがコンテン
ツを出すので、トラフィックをください、と提案した。それでぽつぽつと
売り上げが増えた。
3年感はモデル作りを一生懸命やった。プロモーションをする費用がない
ので、今あるデータベースから収益を上げないといけないと考えていた。

○農家とのつながりはどう見つけたか。
お金を持っていっても農家は動いてくれなかった。
いっしょに飲んでインターネットの可能性を伝えても理解してくれなかった。
ただ、あまりに熱心に語るので、「それならはじっこの野菜を持っていって
いいよ」となり、そこからスタート。
すると、お客さまから声が届き、そのお客さんのリアルの声をフィードバック
した。それがとてもありがたがられた。
農家の人は、自分の作った商品を評価してもらったことがない。リスクが高い
のに、評価されたことがない。
それが彼らにとっては大きなモチベーションになり、関係ができていった。

○加工食品のむずかしさ
安全なものは美味しいケースが多い
安全度と味が強い相関がある。
ただ、加工食品は安全なものだと「味が物足りない」となることがある。
加工食品だと価格比較される傾向がある。
プライシングの問題が出てくる。
いいものをまあまあの値段で売りたい。
他社と比較されない品ぞろえにしていく、と考えている。

○もう1回やるか?と言われるとするか。
吐き出したくなるほど、大変だった。
苦労をあまり考えていなかった。若気の至り?!

○3倍先を考えて投資判断をするようにしている。
3億のときは10億には。
100億のときは300億を考えて投資している。

○今後はどうするか。
ニッチの自然食品をマスにしないといけない。それが存在意義。
マスは少なくとも、4ケタ億は必要ではないか。
マックやコカコーラがライバル?
それくらいの規模がないと話にならない。
規模を拡大したい。
店舗を少しやっているが、それをフラッグシップではなく、事業
としてやっていきたい。
ネットと店舗、両方のサービスレベルを上げていく。

○すごい大変な時にどう楽しむか
チャレンジは大変。ただ、大変な問題を、大変だと思って解くのと、
楽しくない、と言って解くのはのは全然違う。
楽しいと思ったほうがいいのではないか。
問題は毎日のように発生する。想像つかないことが起きる。
問題に対してしかめっ面をしながら取り組むのではなく、にこにこ
しながらやったほうがいいのではないか。
チャレンジプロセスの笑顔があると、明るい国になるのでは。

長くなり、ごめんなさい。
12年かけて80億の企業に育てたそうですが、強い志を持ちつつ、
精神力もすごいなーと思いました(50社に断られたらめげそうに
なりますが)。
インターネットの可能性、世の中の役に立ちたい、
そんなのが彼を突き動かしたのかなーと思いました。
ちなみにちょうど「ライフ・イズ・ベジタブル」という本を出されたとか。
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興味深かったので、読んでみようかと思ったのでした。
全然規模は違いますが、経営者としていろいろなことを感じ、
精神力の強さを持っておこうと思ったのでした。
by jungae | 2012-07-04 06:49 | KMD大学院生活