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アマプロ株式会社代表 林正愛が日々感じていることをつづります


by りんちゃん
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戦略コンサルティング講座―ロジカルシンキングと仮説思考

久しぶりですが、大学院の授業について。
慶応ビジネススクールの授業をいくつか受けさせていただいているのですが、
6月に終わった授業でボストン・コンサルティング・グループが提供してくれて
いた『戦略コンサルティング講座』という授業がありました。
4月からやっており、途中途中で紹介できたらと思ったのですが、ばたばたし、
今回まとめてみます(実は今日がレポートの提出日で、印象に残ったことと
その理由、限界について述べなさいとなっているのです)。

経営戦略の策定と必要について重要だと思われたものは何か。
この授業で学んだ中で以下を選びました。

1 ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは「論点」を「構造的に」分解すること。これが経営戦略
の策定と実行という観点から重要性が認められると思ったのは、現在は課題
が高度化し、チームとして解決することが必要な課題を扱う必要が出てきて
おり、ロジカルシンキングが不可欠だと考えたからです。
論点が明確であれば、課題解決に対する取組みはスムーズに進むように
なり、ロジカルシンキングが組織を動かすツールとなるというのはとても説
得力がありました。100人の組織を動かすことは、トップが熱い言葉で鼓舞
するだけでも十分可能で、思いを伝えたうえで、必要な指示を出せば組織は
動きます。しかし、1,000人、10,000人の組織を動かすためには、熱い
思いや断固たる覚悟に加えて、「なぜ、そう考えるのか?」が必要不可欠
です。それが、個々が迷ったときに判断を下す原点・指針となります。社外の
ステークホルダー(投資家など)の理解を得るためにもロジックは欠かせ
ません。意思を勝てる戦略に進化させ、ロジックを考え抜くことで、「論点」
「仮説」「検証アプローチ」が見えてきます。一方で、ロジックがあることで、
抜け漏れや見落としを防ぐこともできると言います。このような観点から
ロジカルシンキングは経営戦略の策定と実行においてとても重要だと
考えました。

ただ、その限界としては、現在、世の中が急激に変化し、これまでのやり方が
通用しない時代に突入しています。イノベーションの重要性が叫ばれ、0から
1を生み出すことが求められており、そこでロジカルシンキングは使えない
というのはロジカルシンキングの限界でもあるかと思います。1,000人、
10,000人いる組織よりも、志を同じくし、面白いアイデアを持ち、それを
実行に移せる数人が作ったものや世の中を大きく変える可能性を持って
います。志を同じくする人が小さくスタートし、プロトタイプを作りながら改善
していく――技術革新が進み、それが可能になる中で、0から1を生み出す
ことに使えないロジカルシンキングが役割を果たせるのか。0から1を生み
出すための使い方ももしかしたら今後出てくる可能性もあるかもしれない
ですが、注視していくべきではないかと思いました。

2 仮説思考
仮説思考についてなぜ重要だと考えたかと言うと、授業で紹介されていた
のは、①問題解決のスピードが上がること、②先見力と決断力が上がる
こと、そして、③情報の洪水。その通りだと思いました。グローバル化とと
もに技術革新が進み、情報があふれる中で、ある程度の仮説を持って取
り組まないと、ありとあらゆるものを探ることになり、果てしない時間がか
かります。
仮説思考と対照的な考え方として網羅思考が挙げられていました。その
思考のもとでは、網羅的に調査・分析を行い、それに基づいて答えを考え、
想定されうるあらゆる原因、解決方法を網羅的に調査し、解決方法の評価
も、多種多様な項目を用いて詳細に評価します。かなり時間のかかる作業
になります。一方で、仮説思考とは、調査・分析を行う前に、答えから物事
・課題を考え、仮の答えを立て、それを検証することで仮説を修正・進化さ
せ、そのプロセスを繰り返してその時点での最適な解決策を導き出し、
限られた時間/情報の中で、確からしい答えを導き出します。
この考え方ができていないと網羅思考に陥り、あらゆるものを調査し、時間
が限られる中で貴重なリソースを闇雲なものに充てていくことになり、大き
なロスが生まれます。スピードが求められる今の時代に仮設思考を身に
つけておらず、マネジメントが網羅思考で経営のかじ取りをすると、戦略の
策定、そして実行が全然進まなくなることが考えられます。

ただ一方で仮説思考の限界としては、「仮説」に縛られることが生じるの
ではないかということです。仮説を仮の答えとして検証し、修正・進化させ
ると言いつつも、逆に自分の仮説に合ったものだけを探す傾向に陥るの
ではないかということが懸念されます。仮説を持ちつつも、それに縛られ
過ぎない、あくまでも仮説でしかない、検証していく中で本当に正しいの
か、常に確認し、周りの意見も聞きながら、仮説を疑い、修正していくこ
とも必要になるのではないかと考えました。

なんかレポートっぽくてごめんなさい。ただ、よく言われるこの2つについ
てとても大切な考え方とも思いつつ、その限界も感じ、まとめてみました。

皆さんはどう思われるでしょうか。
by jungae | 2013-07-05 07:28 | KMD大学院生活