プロジェクトマネジメント1―プロジェクトマネジメントはなぜ大切か
2013年 09月 17日
今週からはプロジェクトマネジメントとアジアのサプライチェーンマネジメントの
授業がスタートしました。
プロジェクトマネジメントについては、どこかでぜひ学びたいと思っていたので、
とても新鮮で勉強になりました。いくつかまとめてみます。
(もしかしたらプロジェクトマネジメントを学んだことがある人にとっては、少し
退屈かもしれません。ごめんなさい。)
○ITプロジェクトの31%は開始する前に中止が決定される81億ドルの損失を
生んでいる。
○プロジェクトマネジメントは、プロジェクトマネジャーだけでなく、あらゆる人に
とって大切。あらゆる人が何かしらプロジェクトに関わっている。
○プロジェクトマネジメントとは「プロジェクトの要求にこたえるために、知識や
スキル、ツール、テクニックをプロジェクトの活動に適用すること」。
定義された範囲、品質、時間、コスト制限の中で、プロジェクトが完了するように
資源を集めマネージする規律。
○プロジェクトとは、ユニークで、繰り返しがきかず、一時的(始まりと終わりがあ
る)、段階に沿って進めるもの。結婚式を計画するのはプロジェクトだが、iPhone
を向上で組み立てるのはプロジェクトではない。
○1628年に海に沈んだスウェーデンのVasaという船に関するケーススタディ。
強い王が絶対的な力を握っていて、それが一つの驚異の文化を作り出していた。
船を作る要求が常に変わり、かなりタイトなスケジュールで作業をさせられ、
船造りのマスターに頼る状況に。イノベーティブすぎる、道徳に反する行動や
王が他国にいたことでコミュニケーションに時間がかかった。
○400年ほど前の話だが、学ぶことがたくさんある。
1 うまくいっていないプロジェクトはより深い組織的な構造をはらんでいる
2 多くのプロジェクトは基本的にイノベーティブであり、大きなプレッシャーの
中でイノベーティブなプレッシャーをすることは大きな無秩序を生むことがある。
○組織構造の3つのタイプ
1 機能ベース
2 プロジェクトベース
3 マトリックス
○機能ベースの組織の良い点&悪い点
(良い)個人が自分がやるべきことがある分野ではっきりとわかる
コミュニケーションチャンネルが明確
上司が1人なので資源のコントロールが容易
1部門で管理しているので、予算管理やコスト管理が容易
(悪い)プロジェクトマネジャーの権威が低い
資源をフルに活用できない可能性がある
部門を超えた貢献がむずかしい
○プロジェクトベースの組織の良い点&悪い点
(良い)一人のマネジャーが大きな権限を持つ
コミュニケーションチャンネルが直接的でオープン
変化への適応性が上がり、意思決定はプロジェクトマネジャーができる
(悪い)資源がうまく使えない可能性がある
プロジェクトを超えて資源を分け合ったときの規模の経済を使えない
プロジェクトだけに専念し、組織への帰属意識が低くなる。
○マトリックスベースの組織の良い点&悪い点
(良い)正式なプロジェクトが社内で見えやすくなる
ダイナミックで変化に対応しやすい
プロジェクトを超えたナレッジの共有がしやすい
(悪い)優先順位の異なる上司を複数抱えることになる
予算管理、コスト管理が複雑になる
プロジェクトチームのモチベーションを保つのがむずかしい
ポリシーや進め方がプロジェクトによって異なる
○どれをベースにした組織にするかは組織の文化によって異なる。
業務の75%以上がプロジェクトの場合(コンサルティングファームなど)は、プロ
ジェクトベースがいいし、そのパーセンテージが低い場合は機能ベースやマトリ
ックスがいいのではないか。
最後にマシュマロ―エクササイズというのをやりました。
チームに分かれ、18分の間にスパゲッティ20本、テープ、糸を使い、一番高い
ところにマシュマロを乗せられたチームが勝ちというもの。
私のチームはいろいろ議論したものの、最後に崩れてしまいました。
これは勝ったチームのもの。
ちなみにこのエクササイズはとても人気なようで、TEDでも話されています。
一番高くあげられるのは幼稚園の子供たち。小さくスタートしてちょっとずつ試して
みること(prototypeを作り、試してみること)が大切だとか。
小さなプロジェクトですが、単純だけれどむずかしいなーと実感したのでした。