これから注目の職業は?
2009年 04月 17日
金融危機で揺れたアメリカでも、人気の職業について、大きな変化が起きているようです。
Crisis Reshaping Wall St. as Stars Begin to Scatter(4月11日)の記事では、
ゴールドマン・サックスやモルガンスタンレー、バンク・オブ・アメリカなどのウォールストリート
のエリート企業で働いていた花形バンカーたちが、それらの企業を辞め、小さな投資会社
などに移っていると紹介しています。政府の支援を受けている金融機関だと、給与制限を
設けられることになり、それを嫌ったということもあれば、それらの金融機関で将来が見え
なくなったと言います。
With Finance Disgraced, Which Career Will Be King?(4月11日)の記事では、
有名大学を出た学生たちが選ぶ就職先が変わってきたことを紹介しています。
以前は、優秀な学生たちは、土木技師を目指して国の建設に尽力する人がいたり、
スプートニク(ソ連の人工衛星)が1957年に打ち上げに成功したときには、科学の道を
選ぶことが多かったそうです。ただ、ここ20、30年は金融およびコンサルティング業界が
優秀な学生を引き寄せていました。理由は何よりも高い報酬。入った途端に6桁(10万ドル
=1億以上)を得られました。
ただやはりこの金融危機の影響で、金融やコンサルティングを目指す人は減っていて、
増えているのは政府関係の仕事(公務員)。オバマ大統領が選ばれたことも影響している
とか。
「一生やるつもりはないけれど、これからは政府と民間の協力(パートナーシップ)は
とても重要になっているし、タイミングはぴったりなのです」とある学生は言っています。
その他には、科学や工学の分野も人気復活の兆候があるそう。
ノーベル経済学賞受賞したPaul Krugman氏はMaking Banking Boring(4月9日)
の記事で、銀行員の仕事はつまらないと切っています。
あるレポートを紹介し、アメリカの銀行業には3つの時代を経てきたと紹介。
1930年以前は銀行業はとても反映し、カラフルで、働いている人のお給料もとても良かった。
しかし、1929年の世界恐慌で状況が一変し、様々な規制がかけられ、お金を貸すことに
慎重になり、つまらなくなった(不思議にもこのときは経済は一番安定していたのだが・・・)。
ただ、1980年に銀行に対する規制が廃止されると、また状況が一変。
銀行業はエキサイティングになり、お給料も劇的に増加し、銀行や金融業界を目指す
学生たちが増えたとのこと。
いろいろな時代を経ているのですね。
職業選びもこれから根本的に変わっていきそうです。