経済の回復は政府のおかげ――クルーグマン氏の見解
2009年 08月 12日
そのことについて、Paul Krugman氏が語った興味深い記事を見つけました。
Averting the Worst(8月9日)という記事です。
経済が回復したとは言いにくいのですが、1920年代のような世界恐慌は
避けられた、そこで政府の果たした役割は大きいと、彼は言います。
もちろん経済状況は依然とても悪く、経済危機以降670万人以上の人が
職を失い、それが改善されている様子はまだあまり見てとれません。
ただし、悪くなる速度がかなり緩やかなものになっているとは言えそうです。
そして、政府が果たした役割として、収入が減って経費(人員削減を含めて)
を削減した民間企業とは違って、政府は経費を削減しなかったことが大きい
と言います。税収は減ったものの、社会保障は継続し、公務員を削減しませ
んでした。一方で、金融機関を救済するために、賛否両論はありますが、
大きく介入し、資金を注入して、経営の安定を図ったことも大きいです。
経済がしっかりと回復できるかどうかには大きな不安があるが、最悪の
事態は免れたと感じ、それは「大きな政府」のおかげだと締めくくっています。
民間企業に任せれば、競争が生まれていいものができあがり、世の中も
良くなるという考え方もありますが、一方で、ある程度政府が介入し、いい
バランスで規制していくことも必要なのかもしれないですね。
経済が回復してきたとはまだまだ実感できませんが、少しずつでもいい
方向に向かってくれたらと思います。