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アマプロ株式会社代表 林正愛が日々感じていることをつづります


by りんちゃん
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安さと品質は両立する?!

安さと品質は両立するのか? 少し前になりますが、それについて議論した
面白い記事を見つけました。Why 'Cheap' May Really Be Expensive
(7月29日)という記事です。

The Atlanticという雑誌の記者を務め、New York Timesにも時折寄稿している
Ruppel Shell氏が“Cheap:The High Cost of Discount Culture"という本
を出版し、議論を読んでいます。

彼女は、セール品やアウトレット、ウォールマートなど、安い商品に対するアメリカ人
の執着心が、地球にとっても、個人の消費者に取っても悪い影響を及ぼしていると
言います。安いものが産業の凋落を招き、長い年月をかけて培われてきた職人の
技能(craftmanship)を脅かしていると言います。

安さというのはかつては軽蔑や卑しいものの対象とされていましたが、最近はファッ
ショナブルなものとして捉えられています。アウトレットはアメリカ人の観光客の1番
の観光スポットになっているとか。

安いものを購入することで家計を抑えるということは、どこかの誰かが犠牲になって
います。安い労働力か、環境を考えていない原材料、もしくは製品自体の品質が
低いとか。著者はスウェーデンになるIKEA本社を訪れたのですが、IKEAは価格を
抑えるために、安い労働力に頼り、東ヨーロッパやロシアで不法な森林伐採をして
いると指摘しています。

なお、彼女の見方に賛成しない人も多くいるそうです。IKEAが進出している52カ国
の人たちがIKEAの商品をただ安いから買っているのではなく、スタイリッシュさと
価格のバランスが取れているからと思う人もいるはずだと、記事を書いた記者は
言っています。

確かにいろいろ考えさせられますね。
大量生産をし、安くいろいろなものが手に入ってしまうことで、職人が長年培って
きた技能(伝統工芸)などが廃れていってしまうのは問題なように思います。

一方で、「安さと品質は両立するか?」という観点でいうと、企業のいろいろな努力
を通して現在は実現しているように思います。

ユニクロはいいものを手ごろな価格で提供していますね。先日日経ビジネスの
特集を読んだのですが、必ずしも安い労働力を使って搾取しているわけではなく、
中国の工場で働く人たちをきっちりと指導して品質管理に努め、絶え間ない努力を
しています。ユニクロの工場になっているのが、他の欧米企業と取引をする際の
大きなメリット、ブランドになっているとも言います。

IKEAはと言うと、できあがった家具を自宅に届けるのが一般的だったのを、家に
運び、組み立てるといったことを消費者にしてもらうことで、品質と安さを実現して
いるようにも思います。

私自身の感想としては、安いものと、長年の技能や伝統を生かした商品という
二極化していくように感じます。そして、それらがうまく調和していくようになれば
いいのかなーと思ったりします。
(IKEAのテーブルの上に漆のいい食器が並んでいるとか、ユニクロのジー
ンズに手作りの藍染のTシャツを着るとかかしら?)

みなさんはどう思われますか?
by jungae | 2009-08-18 07:34 | NewYorkTimesの気になる記事