『日本型マーケティングの革新』その3
2013年 03月 13日
終わっていました。(その1はこちら、その2はこちらです。)
その後を少しまとめたいと思います。
○日本では1950年代、60年代に、多くの製品分野でメーカーによる流通
系列化が推し進められた。これはメーカー間のマーケティング競争において、
きわめて効果的に作用することが多かった。
なぜなら、未熟だが関心が高く、人的情報源に頼る傾向の強い消費者に対し、
身近な街の専門家としての小売店の店主や店員による説明や推奨は効果的
に作用したから。
○個々のブランドよりも、信頼のブランドとして企業名ブランドが強調された。
「未熟だか関心の高い」消費者が求むものは、風変わりな製品を避けること。
受け入れやすいのは、他の製品と多くの部分は似ていて無難だが、小さな
改善を施した製品。少なくとも小さな改善があるため、他の製品よりも魅力が
あり、無難でリスクは小さい。そのため、企業は次から次へと矢継ぎ早に新
製品を発売していく必要に迫られた。新製品を出し続けた。
○1970年代に入ると成熟市場を迎える。成長市場と比べて、より競争を意識
したマーケティングが必要になる。ライバルが追随してきたときに自社の強み
を発揮できるかということも重要な考慮事項になる。
○量的変化だけではなく、質的変化ももたらす。つまり、消費者一般における
判断力の向上による未熟性の解消、関心の低下が起こる。経験を積んで判
断力を増した消費者は、製品の基本性能だけでは満足せず、自分なりの
ニーズによりよく適合した製品を求める。また、価格の安さも重視するように
なる。
この後はブランドや商品戦略、価格戦略、チャネルやオープン型マーケティ
ングなどについて述べられています。
アメリカで流通やマーケティングがどう発達したのか。
日本の消費者がどのような消費者だったか。
時系列で知ることができて、とても参考になりました。
一方で、現在元気がいいとされるアジアの消費者たちはどんなだろうか、
戦後の日本と似ているだろうかなど、知ってみたいと感じたのでした。
歴史的観点を取り入れながらマーケティングを見ていくにはとても参考に
なるかと思います。
よかったら、手に取ってみてください。