英字新聞 私流の読み方(2)
2008年 12月 07日
ことがあるので、ご紹介します。
○全部を理解しようとしない
先日伝えた「全部を読もうとしない」ということに少し似ているかも
しれませんが、「全部を理解しようとしない」ということが大事。
英語の勉強をしていて、その中で英字新聞を読んでいると、
勉強だから一語一句すべて知らないと思ってしまいがちです。
NHKが運営している国際研修室で以前勉強したときに、
イギリス人の先生が次のようなことを言っていました。
英語にも駄文がある。記事のタイトルと冒頭の部分を読んで、意味が
よくわからないということだったら、それは記者の力量不足かもしれない。
読者に興味を持ってもらい、記事を最後まで読んでもらうために、
冒頭は特にわかりやすく、関心が湧くように工夫するべきなので、
それがうまくいっていないのだから。
これを聞いたときに、ちょっと衝撃を受けました。それまでは、英語の
勉強のためにと、知らない単語があったらすべて辞書で調べ、一語
一句理解しようとしていたからです。
そんなことはしなくてもいい、最初(と最後)を読んでよくわからなかったり、
関心が持てなかったら、飛ばしてもいいと気軽に構えるようになりました。
日本語の文章でも、「わかりにくなー」と思うものがありますよね。
読者がわかりにくいと思うのであれば、筆者の力量不足。
ここまで断定していいかはわからないのですが、だいたいこんなこと
だろうとつかんだら、飛ばしてもいい、気軽に考えるほうがいいように
思います。
○日本で報道されて知っているニュースをじっくり読んでみる
と言いつつも、読み飛ばしてばかりいると力がつかないと思う人もいるはず。
そのときには、もし時間が取れるのであれば、まずは日本で報道されて
知っているニュース1つ選び、それをじっくり読んでみるといいと思います。
ニュースの背景を知っていると読みやすいと話しましたが、日本で知って
いるニュースだと、英語でも読みやすく、この日本語は英語でこんな風に
言うんだと関心が持てると思います。トライしてみてください。
○音読する
これは英字新聞の読み方とは離れるのですが、「読む」ことを「話す」
ことにつなげるテクニックとして有効だと思ったので、ご紹介します。
1面の記事でも、どの記事でも、1つ記事を選んで、音読することを
おすすめします。それが「話す」ことの能力アップにもなると思います。
猪口邦子さんが毎日記事を音読していると聞いたことがあります。
英語を音読することで、まずは、英語の感覚、英語の音感に慣れる
ことができると言います(アメリカの大学院に行き、英語が完璧という
方も日々そんな努力をしているのですね)。
加えて、私が思うのは、ニュースは最近の話題なので、そこで使わ
れているボキャブラリーがわかり、それを使って、現在世の中で起きて
いることについて、自分なりにどういったらいいか考えるようになります。
「英語」をぺらぺら話せたからといって、話す相手と仲良くなれるとは
限りません。それよりも、自分が世の中について何を思い、何を伝え
たいのかということのようが大事。英語が多少たどたどしくても、こう
思う、こんなことを伝えたいと誠意を持って示せば、通じ合えると思い
ます。
最近、ある外資系企業に取材に行く機会があったのですが、英語力
よりも、その人が何を考え、何と伝えようとしているのか、また、相手
とコミュニケーションを取りたいと努力しているのかということを重視
しているとおっしゃっていました。なるほどと思いました。
英字新聞の読み方からはかなり離れてしまいましたが、読んだこと
について、「自分なりの考えを持つこと」(日本語でも構いません)、
そしてそれを表現してみることが何よりも大切で、英字新聞を読み
続ける動機につながると思いました。
長々と書いてしまいましたが、自分自身にも言い聞かせて、私も
続けていきたいと思います。