アマプロ株式会社代表 林正愛が日々感じていることをつづります


by りんちゃん
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カテゴリ:本( 60 )

久しぶりですが、とても興味深い本を読んだので、本の紹介です。
「学力」の経済学』という書籍です。
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○経済学がデータを用いて明らかにしている教育や子育てに関する発見は、
教育評論家や子育て専門家の指南やノウハウよりも、よっぽど価値がある。

○どこかの誰かが子育てに成功したからといって、同じことをしたら自分の
子どもも同じように成功するという保障は、どこにもありません。

○教育経済学者の私が信頼を寄せるのは、たった一人の個人の体験記では
ありません。個人の体験を大量に観察することによって見出される規則性
なのです。

○日本ではまだ教育政策に科学的な根拠が必要だという考え方はほとんど
浸透していないのです。…米国は2000年代初めには、こうした状態を脱し
ています。…転換点となったのは、2001年にブッシュ政権下で成立した
「落ちこぼれ防止法(No Child Left Behind)]」です。この法律の中で、
実に111回も用いられている象徴的な言葉があります。それが「科学的な
根拠に基づく」というフレーズです。

○経済学者は、客観的な数字をもとに事実を示します。…「どういう教育
が成功する子どもを育てるのか」という問いについて、その原因と結果、
すなわち因果関係を明らかにすることです。

○人間には、どうも目先の利益が大きく見えてしまう性質があり、それ
ゆえに、遠い将来のことなら冷静に考えて賢い選択ができても、近い将
来のことだと、たとえ小さくともすぐ得られる満足を大切にしてしまう。

○「テストで良い点を取ればご褒美」と「本を読んだらご褒美」のどち
らが効果的?
授業時間や宿題などをインプット。学力などをアウトプットと考える。
学力テストや通知表の成績などをよくすること(アウトプット)にご褒
美を与えるのと、本を読む、宿題を終える、学校にちゃんと出席する、
制服を着る(インプット)などのことにご褒美を与えることについて、
実験を行った。
学力テストの結果が良くなったのは、インプットにご褒美を与えられた
子どもたち。

○ご褒美は「テストの点数」などのアウトプットではなく、「本を読む」
「宿題をする」などのインプットに対して与えるべき。アウトプットに
ご褒美を与える場合には、どうすれば成績を上げられるかという方法を
教え、導いてくれる人が必要である。

○子どものもともとの能力(頭の良さ)をほめると、子供は意欲を失い、
成績が低下する。良い成績を取れたときはその理由を「自分は才能がある
からだ」と考えたように、悪い成績を取ったときも「自分は才能がないか
らだ」と考える傾向があった。「よく頑張ったね」と努力した内容をほめ
られた子どもたちは、…問題を解こうと挑戦を続けました。努力をほめら
れた子どもたちは、悪い成績を取っても、それは「(能力の問題ではなく)
努力が足りないせいだ」と考えたようです。

○シカゴ大学のヘックマン教授は、学力テストでは計測することができ
ない非認知能力が、人生の成功において極めて重要であることを強調し
ています。また、誠実さ、忍耐強さ、社交性、好奇心の強さ―これらの
非認知能力は、「人から学び、獲得するものである」ことも。
おそらく学校とは単に勉強をする場所ではなく、先生や同級生から多く
のことを学び、「非認知能力」を培う場所でもあるということなのでし
ょう。

○どんなに勉強ができても、自己管理ができず、やる気がなくて、まじめ
さにかけ、コミュニケーション能力が低い人が社会で活躍できるはずが
ありません。一歩学校の外へ出たら、学力以外の能力が圧倒的に大切だと
いうのは、多くの人が実感されているところではないでしょうか。
私が「重要」と定義する非認知能力とは、
①学歴・年収・雇用などの面で、子どもの人生の成功に長期にわたる因果
関係を持ち
②教育やトレーニングによって鍛えて伸ばせる
ことが、これまでの研究の中で明らかになっているものです。

○人生を成功に導くうえで重要だと考えられている非認知能力のひとつは
「自制心」です。

○もうひとつの重要な非認知能力としてあげられるのが、「やり抜く力」
です。この能力は、ペンシルバニア大学の著名心理学者、ダックワース准
教授が「成功を予測できる性質」として発表して以来注目を集め、GRITと
呼ばれています。
「非常に遠い先にあるゴールに向けて、興味を失わず、努力し続けること
ができる気質」と定義しました。
非認知能力は成人後まで可鍛性のあるものも少なくないということがわか
っています。
「自制心」は筋肉のように鍛えるとよいといわれています。「やる抜く力」
は、「しなやかな心」を持ち、「自分のもともとの能力は生まれつきのもの
ではなくて、努力によって後天的に伸ばすことができる」ということを信じ
る子どもは、「やり抜く力」が強いことがわかっています。

かなり長くなりました。
これ以降も、少人数学級はいいのか(40人学級を35人にするのはそれほど
費用対効果は高くない)など、いろいろな興味深い話が載っています。

教育を科学的に捉えていくと重要性を感じるとともに、非認知能力の大切さ
は社会人として働いているとまさに重要だと実感させられます。

いろいろと考えさせるので、よかったらぜひ手に取ってみてください。
by jungae | 2015-09-09 07:23 |
時短料理のきほん―1日5分「先取り習慣」で、かんたん、おいしい。』という
本を読みました。
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1日5分先取りするだけで驚くほど、効率よく料理ができそう。
著者は料理研究家の田内しょうこさん。

料理は毎日向き合うもの。いろいろ参考になったので、まとめてみます。

〇日々の料理の中で、料理の流れ(レシピ)を分割する→どの作業を先取り
できるかを考える→いま何をしているのか、全体の流れのどこにいるのかを
俯瞰する。

〇時短で作るなら、調味料ではお金をかける。
冷蔵庫にぎっしりと入れたドレッシングやタレの数々。何を持っているか、
把握できていますか? 調理過程のムダをなくし、迷いをなくすために、
一番の近道は調味料の数をへらすこと。基本のさしすせそ(砂糖、塩、酢、
しょうゆ、みそ)に立ち戻れば、料理はかんたんで早くなります。

〇まずは、時短泥棒である「迷い」を断つためにも時短を支える道具を
そろえましょう。
1 ラクして、早く切るために、道具を使い倒す。
2 バット、ボウル、ざる使いで、手早く味をしみ込ませる。
3 時短の味は、加熱機具で差がつく。
4 いつかは目分量、を目標に。
5 作りおきの器は、見やすく、重ねやすく、洗いやすく。

〇Week 1 台所仕事を見直し、時間価値を高めよう。
―手早い料理は、分割と先取りから。
理想的には、事前に仕上げておいたもの、帰宅後に仕上げるものを組み
合わせて献立を作れば、バランスもよく、より作業もスムーズ。
寝る前に明日の予定を確認したり、洋服を考えたりするように、ごはんの
段取りもつけてしまうのです。
―肉は、倍量炒める習慣を!
肉を炒めるときに必要量の何倍かに火を通し、味までつけた状態で次の
料理にまわす。
―基本の料理パターンを決めてしまおう
「時間がないな、考える間もないな」というとき、「これならすぐできる」とい
う基本メニューを持つことは時短料理の第一歩。
―料理本を広げながら作らない。
レシピを5つの段取りにそって読み解く方法。基本的にレシピは「加熱→
味つけ」の作業に、よりおいしくするためのステップが追加されています。
そこでレシピを読みながら、どの素材を、どう加熱して、どんな味つけを
するのか、という料理の骨組みを理解して作業に入る。
基本レシピがアタマに入れば、材料を置き換えてのアレンジ、応用も
自由自在。
―冷蔵庫に頼りすぎず、食べ切る工夫を。
冷蔵庫に入れてからは、1~2週間で食べ切るようにすると味も落ちず、
忘れずに使い切ることもできる。

〇Week2  「さしすせそ」を制して時短の味を極める。
―「砂糖」こそは、時短料理の強い味方。
砂糖の保存効果は、家庭料理でも活用したいポイント。
時短につながる肉を柔らかくする効果も絶大。
―まずは野菜の塩もみを作っておこう!
家庭での下ごしらえの塩使いで、仕上がりは格段にアップ、手早く作り
たいからこそ、塩はきっちりと。
―甘酢は、働きものの万能調味料
自家製の調味料にも、ほんの少しの酢を加えると、コクが出たり、キレが
よくなったり、よい働きをしてくれます。
―うちの味はしょうゆだれから。
味のベースとなるしょうゆで、応用範囲の広いたれを作っておくと、毎日の
ごはんづくりの味つけが格段にラクになります。
―みそ汁だけではもったいない。
みそは煮立てると味が落ちるので、朝の作業は、出しに具を入れて火を
通すまでに。

〇Week3 素材の扱いを知って調理時間を短縮する
―野菜の皮むきはやめよう!
―肉魚は下味をつけて、寿命を伸ばそう!
―冷凍フル活用で、薬味上手に。
―乾物は、包丁いらずの時短食材。

〇Week4 下ごしらえで時間泥棒にサヨナラ。
―肉や魚のそぼろは、使えるおかずの素。
肉に触らずそのまま調理できるそぼろは、清潔で手早く仕上がる。
―かたまり肉は、時短の頼れる助っ人。
かたまり肉はおかずの素として役立つだけでなく、それ単体で
おもてなしに便利です。
―おいしさを先取りする、マリネ術
―ゆで野菜を1種類必ず常備しておこう。
ゆで野菜を一種類、冷蔵庫に常備しておくことを提案します。生野菜
よりも多量が食べられるのも嬉しいところ。大なべでゆでるほか、蒸し
たり、レンジで加熱しても。やりやすい方法でどうぞ。
―野菜の下準備にこそ、冷凍は活用すべし。
あくまでも、冷蔵庫より少しだけ寿命を伸ばす、という心づもりで、
忘れないくらいの量を、すぐに使える状態にして保存すること。
<積極的に冷凍したい野菜>
ねぎ、しょうが、にんにく、ゆず、きのこ類、セロリの葉
<切って冷凍するのがよいもの>
大根、にんじん、れんこん、ゴボウ、ピーマン、アスパラガス、キャベツ
<まるごと冷凍できるもの>
トマト、もやし、いんげん、そら豆
<「スープ袋」用おすすめ野菜(薄切り、または1㎝角で>
玉ねぎ、にんじん、大根、セロリ、ゴボウ、ぶなしめじ、キャベツ

〇旬の魚を意識してとろう。
魚は、骨のない切り身であれば、実は便利な時短食材です。
余裕がある日には、旬の珍しい野菜や魚をお店でゆっくり探して調理
してみる。
今しかない食材を買ってみると、思いもよらない美味しさを発見する
ことにつながります。

〇1週間で帳尻がある食材選びをしよう。
ある大学の先生の研究によると、朝に7品目以上食べることその以下
の子の、午前中の集中力にはっきりと差が出る、という調査結果があ
るのだとか。
決まった食材や同じメーカーの商品を食べ続けることは避け、とにか
くいろいろな種類の食品を取りたいところ。

〇少しだけ早起きで朝時間を強化してみる。
ひとつの先取り仕事が朝ごはんの余裕を生み、お弁当を作る時間の
みならず、晩ごはんの下ごしらえをするゆとりにもつながっていきます。

〇決まった曜日に冷蔵庫の掃除をしよう。
冷蔵庫がすっきりして中に入っているものが頭に入っていれば、
開けたときに探したり食材を見て迷ったりする時間が確実に減ります。
冷蔵庫も、自分の持っている大切な仕事場のひとつと考えて、整理整
頓し、中身を定期的に把握しておきましょう。

〇自分の時間の使い方を振り返ってみよう。
どんなことでもよいですから、前倒しの行動をとっておくことで、必ず
今夜の料理手順に差がついてきます。

少し長くなりごめんなさい。
いろいろとコツが書かれていて、勉強になったので、自分の忘備録
としてもまとめてみました。

これ以外に様々な時短料理のレシピが載っていて、参考になります。
料理は「段取り力」と言われますが、自分の時間の使い方を振り返る
ことにもなるなーと思いました。
1日5分前倒ししてみる、実践してみようと思ったのでした。
by jungae | 2015-03-08 11:32 |
少し古い本ですが、『スターバックスを世界一にするために守り続けてきた
大切な原則
』という本を読みました。
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スターバックス・インターナショナル社長、スターバックス・ノースアメリカ社長
を務められたハワード・ビーバー氏が書かれたものです。28店舗の組織から
急成長を遂げた中で、大切にしてきた原則を述べていました。
6年以上前の本ですが、「パーソナルリーダーシップ10カ条」として詳しく
まとめられており、いろいろと感じることがあったので、まとめてみます。

〇パーソナルリーダーシップの10カ条
1 自分に正直になる―かぶる帽子をひとつにする
2 なぜこの会社で働くのか―出世のためではなく、正しい理由で行動する
3 自主的に考える―掃除をする人が放棄を選ぶべきだ
4 信頼を築く―心から思いやる
5 真実に耳を澄ます―壁は語る
6 責任をもつ―真実以外は嘘だとわかる
7 行動する―行動的に考え、思慮深く行動せよ
8 困難に立ち向かう―なにより私たちは人間だ
9 リーダーシップを発揮する―大きな雑音と静かな声
10 大きな夢をもつ―「イエス」は世界で一番パワフルな言葉だ

〇スターバックスで、わたしはいつもこう言ってきた。
「私たちはコーヒーを売っているのではなく、コーヒーを提供しながら人を
喜ばせるしごとをしているのだ」

〇「自分を知る」というと、一人で行うことのように思われそうだが、それは
ちがう。あなたが読む本、会う人、経験することすべてが、自分のそのより
どころを学ぶチャンスだ。他人の知恵を借りよう。配偶者、ルームメイト、
子どもほど、あなたを正直にさせてくれる人はいない。

〇スターバックスでは、大きな志をもち、周囲に影響を与え、私たちの価値
観と使命を共有してくれるパートナーを採用することに情熱を傾けている。
経歴を追い求める人や、夢に対して消極的な人は必要ない。私たちに必要
なのは、自分の夢が会社の夢とどう一致し、どこまでを自分のものとして
責任をもてるかがわかる人間だ。

〇仕事をやめるからといって、負け犬になるわけではない。価値観に反する
ことがあるなら、それを認め、自分の帽子をもう一度確かめてみるべきだ。
パーソナルリーダーシップは、自分を知り、どこへ向かうのか、それはなぜ
かを知ることに終始する。正しくないことは潔く認め、これを変えなければ
ならない。

〇私たちに必要なのはルールではなく、レシピなのだ。

〇頭よりも心で指導することがずっと大切だと身を持って感じる。愛と信頼
はやる気を高める万国共通の要素だ。そして信頼や思いやりをなしには
生まれない。思いやりとは、自分よりも他人を優先することだ。

〇わかりやすく正直に対話するうえで一番大切なのは、物事をありのまま
に呼ぶことだ。口を開くときには、現実を語ること。
スターバックスでは、すべての社員をパートナーと呼ぶ。ここで働く一人
ひとりがパートナーと呼ばれるのだ。理由のひとつは全パートナーが株主
であることだ。だがそれ以上に、お互いがパートナーと認め合い、そのよう
に接したいという思いから、この言葉を使っている。聞こえがいいからでは
なく、全員が同じ夢を追求するパートナーであることを心にとめておくためだ。
スターバックスでは本社は存在しない。サポートセンターがあるだけだ。

〇信奉者で、実行家で、新しいもの好きで、果敢に挑戦し長期間あきらめ
ないという性格の人間を一人雇えば、周囲の人はその大きな夢を共有する
ために次々と集まってくる

〇スターバックスで十分にできていないことのひとつで、ほとんどの会社で
もしていないことは、失敗をほめることだ。失敗をほめることは、あきらめず
にもっと様々な試みに挑戦することにつながる。信頼を深めることにもなる。
人は自分になにかができる、挑戦できると信じる必要がある。いまやって
いることが失敗したとしても、次の挑戦がうまく行くかもしれないし、どれが
せいこうするかわからないからだ。

〇人生や仕事は、氷の上でスケート靴をはいてバランスをとるようなものだ。
たえず調整したり、前進したり、自分を立て直しながら私たちは生きている。
小さな挑戦や大きな挑戦で多少身体が傾いても、結果がよければ立ち直
れる。

〇あるお見せで銃撃事件があり3人が亡くなった。ハワード・シュルツが
取ったのは、被害者の家族、スターバックスのパートナー、コミュニティー
とともに時間を過ごした。自分の対応に対する他人の評価など眼中になく、
自分や会社を訴訟から守ることなど考えもせず、スポークスマンの陰に
隠れることもなく、緊急事態マニュアルに頼ることもなかった。スターバック
ス会長兼CEOとして、まずは人間らしく行動し、その心はすべての人に
伝わった。それは、何があろうとも守るべき原則を社内外に示した瞬間
だった。人を第一に考えることだ。

〇スターバックスがみんなにとって「自分の居場所」であることを再確認
したのである。スターバックスは自分流にコーヒーを飲める場所。
自分流にお客様へのサービスができる場所。友人との、恋人との、ビジ
ネスの、そして政治の話ができる場所。仕事をしたり、考えたり、本を
読んだり、あるいはただ単にほっとする場所。スターバックスは雨ふり
の土曜の午後にぼーっとする場所。お客様が自分の中にある静かな
声に耳を傾ける場所。雑音はいらない。

長くなり、ごめんなさい。
改めていろいろ考えさせられたのした。
みなさんはどう思われるでしょうか。
by jungae | 2015-03-07 08:20 |
クリエイティブ・マインドセット―想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
という書籍を読みました。
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世界的なイノベーションとデザインのコンサルティング会社であるIDEOの創設者
であるDavid Kelly氏です。とても面白いことが書いてあったので、ご紹介します。

〇「人間はみんなクリエイティブだ!」
IDEOでサポートした人々は、経歴こそさまざまだったが、一つだけ共通点が
あった―みな創造力に対する自信(Creative Confidence)を獲得していた。
Creative Confidenceとは、「自分には周囲を変える力がある」という信念を
指している。自分の創造力を信じることこそ、イノベーションの「核心」をなすもの。

〇創造性は、みなさんが一般的に思っている”芸術的”な分野よりも、もっと幅広
く普遍的な分野で活かすことができる。私たち筆者の考える創造性とは、想像力
を使って、今までの世界にないモノをうみだすことだ。つまり、創造性とは、。新し
いアイデア、解決策、アプローチを生み出すために発揮できる。

〇創造性を一から生み出す必要はない。人がすでに持っているもの――世界に
ふたつとないアイデアを創造したり発展させたりする能力――を再発見する手
助けをするだけでいいのだ。しかし、アイデアを実行に移す勇気を奮い起こさな
いかぎり、創造性の真の価値は発揮されない。つまり、新しいアイデアを思いつく
能力と、アイデアを実行に移す勇気――このふたつの組み合わせこそが、創造力
に対する自信(Creativity Confidence)の特徴と言えるのだ。

〇技術中心ではなく、人間を中心とした視点から問題を見つめることで、新しい変
化が次々と生まれてくることもある。
関わったイノベーション・プログラムは、3つの円が重なり合っている。ひとつ目は
「技術的要因」、2つ目は経済的実現性、「ビジネス的要因」、3つ目は「人的要因」
人間のニーズを深く理解すること。
人間中心の考え方は、イノベーション・プロセスの基本だ。人々に深く共感する
ことで、観察を強力なインスピレーション源にすることができる。
成功するイノベーションは、技術的要因とビジネス的要因のバランスをとると
ともに、人間中心のデザインによる調査の要素を何かしら取り入れている。

〇デザイン思考とは、デザインを実践する人々の道具や考え方を用いて、
人間のニーズを発見し、新しい解決策を生み出すための手法。デザイン思考
を使えば、個人、社会、ビジネスの様々な問題を、クリエイティブかつ斬新な
方法で解決できる。
デザイン思考では、直感的に物事をとらえ、パターンを認識し、機能的なだけ
でなく、感情的にも意義のあるアイデアを組み入れる。人間の天性の能力を
用いる。とはいえ、後からその能力を身につけるのも可能だ。
容易には分析できない問題や、確かな基準やデータが十分にない問題を抱
えている場合、デザイン思考の共感やプロトタイピングを使うことで、前に進
む足がかりになるかもしれない。

〇スタンフォード大学の心理学教授のキャロル・ドゥエックは、しなやかなマ
インドセットの持ち主は、人間の真の潜在能力は未知(しかも不可知)であり、
何年も努力、苦労、練習を積めば、予測もつかないようなことを成し遂げられ
ると信じているという。

〇人々に小さな成功を積み重ねさせることで、自分の創造力を疑う気持ちを
払いのけることができる。そして、その体感は残りの人生に絶大な影響を及ぼ
すこともある。
”天才的ひらめき”が訪れるのは、他の人よりも成功率が高いからではない。
単に、挑戦する回数が多いだけなのだ。つまり、他の人よりもゴールに向かっ
てシュートを打つ回数が多いわけだ。これはイノベーションの以外で面白い
数学的法則だ。もっと成功したいなら、もっと失敗する心の準備が必要。
ベンチャー・キャピタリストのランディ・コミサーによれば、シリコンバレーの
ような起業の中心地が他と比べて違うのは、成功の大小というよりも、失敗
に対する対処の仕方なのだという。起業家を育む文化では、コミサーのいう
「建設的な失敗」の価値がより高く評価され、理解されている。
私たち全員にとって必要なのは、新しいアイデアを試す自由だ。
失敗から教訓を学ぶには、失敗に責任を持つ必要がある。間違いを認める
ことは、前に進むためにとても大事だ。
作家で研究社のブレネー・ブラウンは、恥の体験について多くの人々に
話を聞いた結果、3人に1人が「創造性の傷」を抱えていることを発見した。
つまり、芸術家、音楽家、坂、歌手としては才能はないと言われた瞬間を
はっきりと覚えていた。
自分からクリエイティブな人間をやめてしまう人があまりにも多い。

〇創造性を手に入れるには、人と比べるのをやめるのが一つの方法。
ハンガリーの随筆家、ジェルジュ・コンラッドはこんなことを言っている。
「勇気とは、小さなステップの積み重ねに過ぎない」

〇個人であれ組織であれ、イノベーションはどこでも起きうる。その火種と
なるのは、飽くなき知的好奇心、楽観主義、最終的な成功のために何度も
失敗することを受け入れる能力、懸命に働く意欲、アイデアだけでなく行動
を重視する考え方。

〇クリエイティブな力を伸ばすために日頃から心がけたい方法
①クリエイティブになると決意する
②旅行者のように考える
③「リラックスした注意」を払う
④エンド・ユーザーに共感する
⑤現場に行って観察する
⑥「なぜ」で始まる質問をする
⑦問題の枠組みをとらえ直す
⑧心を許せる仲間のネットワークを築く

〇個人であれ、組織であれ、イノベーションや創造性にとって行動や改良
の繰り返しがどれだけ欠かせないものかがわかる。
スタンフォード大学の大学院課程で学ぶアンキットの言葉。
「創造性とは常に結果論だということを学びました。問題を解決するたったひとつ
の名案をずばっと思いつくのが創造性ではありません。何百回と試行錯誤を繰り
返した末に最良の解決策にたどり着くのが創造性なんです」
すばやく大量の実験を行なうには、計画段階で立ち止まってはいけない。いかに
早くアイデアを行動に移せるか――それがイノベーションのすべてなのだ。

〇想像力に対する自信を持つ人々の特徴の中で、私たちがもっともかんしんする
もののひとつと言えば、傍観者ではないという点だ。どんなに困難な状況でも、
他人の言いなりや被害者のような行動を取ったり、感情を抱いたりすることは
ない。彼らは能動態の世界に住んでいる。

〇クリエイティブになるための第一歩とは、傍観者でいるのをやめて、アイデアを
行動に移すことなのだ。「~だったらいいのに」と思ったときには、少し立ち止まっ
て、「今日じゅうになんとかできるかも」と自分に言い聞かせてみる。

〇「バグ・リスト」を書き留める。
私たちは日々、うまく機能していない製品、やたらと時間のかかるサービス、
どう見ても間違っている設定に囲まれている。「どこかがおかしい」と気づく
ことは、その問題のクリエイティブな解決策を思いつくための必須条件。
改善の余地のあるものを髪切れでもスマートフォンでも記録していけば、
より積極的に世界と関われる。このバグ・リストを更新していけば、新しい
プロジェクトを探している際に貴重なアイデアの源となる。

〇組織の中でイノベーションの文化をはぐくみたい場合、以下の5つのコツが
ある。
1 ユーモアのセンスを忘れない
2 ほかの人のエネルギーを活用する
3 上下関係をなるべくなくす
4 チームの仲間意識や信頼を重視する
5 評価を(少なくとも一時的に)後回しにする

かなり、長くなり、ごめんなさい。
ただ、いろいろと参考になることがあり、書き留めてしまいました。

ちなみに著者は日本びいきで、日本人は本当に本当にクリエイティブだと
いいます。実際に世界5カ国5,000人を対象とした最近の調査によると、
日本以外の国の回答者たちは日本が一番クリエイティブな国だと答えた
のに、日本がもっともクリエイティブだと答えた回答した割合は、日本が
一番低かったそうです。
想像力に対する自信(Creative Confidence)が必要ですね。

技術ではなく、人間を中心に、人の視点でいろいろなことを観察し、問題
点を見つけたらすぐに行動に移し、改善する。それをいかに早く繰り返し
ていくか。それができるかどうかがとても大切だなーと感じました。
ただ、それをやるパワー、モチベーションをもちつづけられるかどうかにも
かかっているのかなーとも思いました。

みなさんはどう思われるでしょうか。
by jungae | 2014-09-18 06:55 |
『ブランドの条件』という本を読みました。
フランスを始点としたブランドの考え方ですが、面白い示唆に富んで
いて、とても参考になりました。まとめてみます。
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〇モードは現在 ブランドは永遠。
「近づきがたさ」はブランドの条件の大きな要素
「親しみやすさ」はブランドにとってマイナス要因になることも
日常の彼方にあって、永遠の輝きを感じさせねばならない。

〇ブランドとは伝説、起源のオーラがある
「メゾン」という語は、「家」という意味の他に「本舗」野意味でも使われ、「家系」
という意味もある。一家の伝説があり、神話が誕生する。

〇起源の神話―ラグジュアリーブランドの条件であり、伝説のないブランドは
ブランドではない。
「起源の伝説を援用して」創造され、「ラグジュアリー(贅沢)がまさにラグジュ
アリー(贅沢)であるのは、それが神話の高みにまでのぼりつめ、消費されて
滅び行く品々が「時を超越した」神話になることに寄ってである。
贅沢とはもともと「聖なるもの」と結びついている。贅沢の起こりは、彼岸の
神々に捧げものをする供犠だった。
時代の流れとともにこの供犠の習慣は廃れゆき、産業の時代の到来ととも
に贅沢はまったく別の形態に移行する。
ブランドという商品となって街に降りてきた。オーラがあり、オーラを呼び起
こす魔法の呪文が由緒ある「名前」である。

〇はじめに「皇室」ありき。
ラグジュアリー・ブランドは特権階級を顧客に誕生するということ、本質的
にはロイヤル・ブランド。
ラグジュアリー・ブランドにオーラを授けているのは、顧客である皇室のほう。

〇フランスの社会学者ピエール・ブルデュー
金融資本や技術資本など、市場に流通するさまざまな資本のうち、人びと
の認知と承認にもとづいて一種の「信用」として機能する資本を象徴資本と
呼び、それが生み出す商品を象徴財とよんでいる。ルイ・ヴィトンという
メゾンの「名」がまさにれっきとして象徴資本になった。

〇奢侈の本質は内容的にいっても貴族的なものだった。
ヴィトンの召使いに持たせるものであっただけではない。この木箱は、持ち
主の依頼にあわせ、入れるものにあわせてつくられるものだった。
ヴィトンのオーダー品は、一般大衆からはるか遠く、世界の王侯貴族や
名士たちのものだった。歴代のヴィトンが店を構えた店舗の立地もまた
このメゾンのプレステージの証だった。

〇カルチエにゲラン、ワース、ウジェニー侯の御用達承認。第2帝政はラグ
ジュアリー・ブランドが生まれるべくして誕生した時代。1853年から1870
年まで、平和を享受しつつ劇的な経済発展をとげたこの時代は、消費文化
が質的転換を遂げた時代。フランスのラグジュアリー・ぶらんどはここに
起源を持つべくして持っている。モダン・ラグジュアリー。

〇ナポレオン三世は平和を望んだ。平和を望んだのは国内産業の育成の
ため。叔父が軍事立国を目指したが、彼は産業立国を目指した。「産業王」
とよばれる所以。最大の事業がパリ大改造。13区から20区へ。ブランド
通り、サントノレ通りが開通したのもこのとき。鉄道も開通。工業の盛んな
ヨーロッパ北部とパリを結ぶ北部鉄道の開通は、フランス資本主義の発展
に大きく貢献した。地中海にのびるPLM(パリ、リヨン、メディテラネ鉄道)は、
違った方面でパリを拡張した。南仏リヴィエラ海岸がパリジャンのリゾート
地になったから。リゾート文化もトランク商ヴィトンに幸運をもたらした。
宮廷の宴会も影響も。「帝国の祝祭」と呼ばれ、未曾有の贅を尽くした宴会が
開かれた。祝宴への参加を義務づけることで、奢侈品産業の育成をはかった。
ラグジュアリーは国策とも言える。

〇紳士服とは逆にオーダーでしかつくれない凝ったドレスが大流行した。この
流行が、「高級仕立て服、オートクチュールの誕生につながっていく。
宮廷に集う貴婦人の「エレガンスの競争」は、クチュリエたちを繁盛させた。
妃后ウジェニーは衣装にうるさかった。

〇第二帝政は「贅沢の民主化」の時代でもある。「ボンマルシェ」をはじめ、今も
続くデパートが次々と誕生をみる。

〇ヴィトンのトランク「ワードローブ」が1889年のパリ万博で見事グランプリを
勝ち取る。その商品が国際的競争力を備えている証でもある。フランスにおい
てラグジュアリー・ブランドの条件は二つ。
① 皇室御用達のメゾンになること。
② 万博でグランプリを受賞すること。
ナポレオン三世の奢侈品産業育成政策から生まれたもので、「花の都」パリを
世界に誇示することと並んで、各企業の万博出展をうながし国内産業の国際
的競争力をつけることだった。
1867年の万博、クリストフルやバカラがグランプリ受賞。

〇フレデリック・ワース(仏語:ウォルト)
従来のクチュリエがやらなかった新機軸をうちだした。
第1に、現代のモード産業が普通におこなっているモデル生産。1人の顧客に
あわせて1点ものをつくるのではなく、あらかじめモデルとなる方をいくつか
デザインしておき、客はその中から気に入ったものを選ぶという生産方式。
第2にラディカルな商法。彼の店の商品は法外に高かった。
高価格政策を通して、デザインという者を高価な商品に変え、デザイナーの
名をれっきとした象徴資本にした。
「グリップ」、ブランドのマークを作り出した。
これを機に、顧客とブランドの関係が展開を遂げてゆくこと。
①ワースはワースだから価値がある。
②ワースは皇室御用達だから価値がある。
皇室のオーラを背景にしつつ、①の戦略に出た。半ば成功した。
かつては、顧客が主人であり、職人はその影で働いていた。
顧客に従属していた旧来の地位からクチュリアが開放されて、モードを牛耳る
新しい権力をかざしてみることになる。
帰属の凋落とともにデモクラシーの台頭と軸を一にする。
デモクラシーの時代とともに、贅沢は帰属材であることをやめ、商品化して
金で買えるものになった。

〇エルメス
高級馬具工房。
3代目のエミール・エルメス。
軍隊でカナダに派遣されたときに、自動車先進国の現実に直面した。
アメリカは「機械生産による大量生産」とヨーロッパは「職人生産による少量
生産」。「少量生産」の「高級品」にかけた。
ハンドクラフトと受注生産という「魂」
ブランドはマーケットを前提にして始めて成立する商品価値。受注生産で
あっても、既製品であり、多少の「量産」の枠がある。

〇オートクチュールとともに、贅沢ははじめて創造的インダストリーとなる。
おそらく大ブランドの政策のしかたーハンドメイド、オーダーメイド、量より
質へのこだわり、クチュリエの熟練ーといったものはなお残り続けたにちが
いない。
けれどもそこではまた量産という近代原理が発揮された。量産と言っても
数は少なかったが。

〇フォードとエルメスは具体的にどこがちがうのか?
まず、生産システムがちがう。職人生産=少量生産VS大量生産の差異で
ある。そのもっと重大な差異はここから帰結する価格の違いである。ヨーロ
ッパのラグジュアリー・ブランドは価格が高い。デザインという無形の価値を
高く売りつける高価格政策はオートクチュールの始祖ワースの登場とともに
動かぬものとなった。
それとともに、エルメスやヴィトンにはデザインだけに還元されない「無形」の
象徴的価値がある。それは、アメリカには決してありえないもの、すなわち
王侯貴族を相手に栄えてきた百年の「伝統」である。エルメスでオーダーメイ
ドのバッグを買うわたしたちは、この伝説を手に入れる贅沢のための対価を
払っているのである。もしその伝説が手の届かない高嶺にあったなら、その
コピーでもいいから手にしてみたいと思うほど。

〇偽物
本物の「分身」たちの群れが本物の価値をさらに高めている
ライセンス・ブランドーー私たち日本人は、こうしたライセンス・ブランド、すな
わち「合法的なコピー」をとおして、海外ブランドの魅惑を知った。
フランスのデパート産業でも、本物と良く似たイミテーションという関係でいえ
ば、事情は同じ。
1852年ボンマルシェ創業。創業者のブーシコーは、初めて「定価販売」を
実現。「出入り自由」という原則を打ち立てた。ショー・ウィンドウ・ディスプレイ
の演出とともに始まった。「衝動買い」というショッピング形態はまさにボンマル
シェが誕生させた。デパートの主力商品は衣類。
新品とはすなわち高級仕立て服、オートクチュールのコピー。

〇シャネル登場
女性が自分で着られる服。
なぜなら第二帝政の貴婦人たちのドレスは召使いに着せてもらうものであって、
「着付け」のいる衣装だったから。財力や地位の表現である美々しい衣装は
人形のような飾り物にしていた。その華美な衣装を抹殺するために、シャネルは
ジャージーという貧しい素材をあえて使って、豪華な記事を時代遅れにしてしまった。
コピーされるということは、そのデザインに対する「愛と賞賛」の証し。コピー商品
は広く世界にシャネルの名を流通させる。
業界のしきたいとてをにぎるのではなく、同時代に生きる女たちと手を携えていた。
シャネルは新しい時代に向かって踏み出した女たちの先頭に立った。
「流行したもの、それは私よ」「モード、それは私よ」
パリのブランド力をバックにしている。
「メイド・イン・パリ」はマジカルな夢の力を放って人々を魅了した。モードとアート
このコラボレーションはシャネルの当初からのスタイル。
パリという都市はこれだけの才能を一つに集めるだけの力があった。そのパリの
流行の先端をいくシャネルは、確かに存在そのものが世界のモードを体現していた。
メディアをうまく利用した。女性誌が空前にうれた時代。権威は皇室からメディア
という匿名権力に座を譲る。メディアは現在。
名声を永遠のものにしたブランドは同時に「現在」をうらなくては行けない。

〇自身の伝説は永遠に。商品は現在のものをーこの意味でシャネルは二十底に
できている。

〇まずはじめに立派なものがあれば、そこから出発して、シンプルなもの、実用的
で安いものへと降りていける。安物は高いものからしか生まれてこない。廉価品の
生産が成立するためには、まずはじめに高級な仕立てがなければならない。
質を足して量ができるわけじゃない。

〇着物にはなぜブランドが存在しないのか。
シャネルはシャネルだから価値がある。日本の着物には、長い職人生産の伝統が
ある。だが、ブランドが存在しない。着物にはデザイナー・システムが存在していな
いからだ。友禅や袖は製品のクオリティと類別の名称であってもここのデザイナー
のなまえではない。だからブランド品ではない。
ブランドとは名の価値体系。バリューは名前から生じる。
ネームの依ってたつ起源はどこへいったのだろうか。かつて贅沢は聖なるもの、
呪術的なものと結びついていた。天への捧げものは、高級品であるか否かを問わ
ず、最良のものでなければならなかった。目に見えないその天のオーラは世紀と
ともに世俗化の一途をたどり、ついに「有名性」というフラットな地平へとたどり着い
た。有名な名。セレブリティ。

〇ブランドは女のものか。
贅沢な消費が女の領分になったのは、たかだか19世紀以降のことに過ぎない。
浪費が「金銭的能力の証」になったのはブルジョワジーの時代であり、貴族の
時代には贅沢は男性の領分であった。
土地の最良のものを神々に捧げた部族の長はほとんどだんせいである。贅沢な
浪費は族長の職務であった。
その責務は、王族に受け継がれていく。そのピークを飾ったのが17世紀のフランス
絶対王政。ヴェルサイユと言えばマリー・アントワネットを思い浮かべるが、宮廷
社会の栄華を極めたのは彼女以前にルイ14世その人。ルイ14世はみずから
1400万フランの宝石のついた衣装をまとった。
ジェンダーと並んで、その贅沢が「パブリック」なものだった。宮廷社会は劇場社会。
宮廷社会のしきたりがやがて城門を超え、都市に広がってゆく。僧侶、高官、大資
本家にまでおよぶ。19世紀までは贅沢は基本的に男のもの。地位を見せつけ、
卓越性を誇示するのに重要だった。
変化をみせるのは、19世紀末、貴族の黄昏の時代から。
女性のラグジュアリーな装いは男性の富の「代行的消費」の役割を担っていた。
妻は、贅沢な装いで実を飾るだけでない。彼女自身の存在が家庭の「装飾品」な
ものだった。
贅沢の女性化が女性の家庭化とともに起こった。女の本文は家庭にあるという
観念が生まれ、性役割分担が発生する。生産が男性の、消費が女性の領分と
なって、ジェンダーの境界線が引かれる。いまは贅沢は「家庭」のなかにはいり
こみ、貴族文化の時代のあのパブリックな晴れがましさを失う。ラグジュアリーは
プライバシーの領域にあるもの、ドメスティックなものと化したのである。
とともに贅沢の「即物化」。貴族的な贅沢がパブリックな性格を有し、供回りや
召使いといった「使用人」を使う贅沢が多かったのに対し、女性の欲望は、衣装、
装身具家など、もっぱら「もの」の消費に向けられる。「もの」を消費するのが
モダン・ラグジュアリーの際立った特長。

〇ブランドイメージを保ち続けるためには、同じ場所に留まっていては、かえって
ダメ。「永遠」であるためには変わらなくてはならない。
変化することによって、スタイルは自身の新しい目印を確立し、それを周囲に
認めさせます。原価がスタイルに新しい道を開くのです。

〇何も変わらないためには、すべてが変わらなければならない。

かなり長くなり、ごめんなさい。ただ、個人的には着物になぜブランドがないのか、
その視点とかはとても新鮮でした。
新しい本ではありませんが、いろいろと考えさせられたのでした。
by jungae | 2014-09-08 07:10 |
こんにちは。今回は久しぶりに書籍の紹介。
クレイトン・クリステンセンの有名な『イノベーションのジレンマ―技術革新が
巨大企業を滅ぼすとき
』です。
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大学院の授業でいろいろ出てきており、随分以前から気になっていて、いろいろ
聞いていたのですが、今回改めて読んでみようと思いました。

気になったことをまとめてみます。

〇優秀な企業はなぜ失敗していったのか。説明する説は2つある。
1つは企業の経営が優れていなかった。2つ目は、失敗した企業でも十分に
健全な経営がなされていたが、成功している間の意思決定の方法に、のちの
ち失敗を招くなんらかの要因がある。本書はそれを支持する。
「破壊的イノベーションの法則」と呼びたい

〇新技術のほとんどは製品の性能を高めるものであり、それは「持続的技術」
と呼ぶ。しかし、時として「破壊的技術」が現れる。製品の性能を引き下げる効果
を持つイノベーションである。従来とはまったく異なる価値基準を市場にもたらす。

〇企業はときとして顧客が必要とする以上の、ひいては顧客が対価を支払おう
と思う以上のものを提供してしまう。

〇安定した企業が、破壊的技術に積極的に投資するのは合理的でないと判断
することには3つの理由がある。
1 破壊的製品のほうがシンプルで、低価格、利益率も低いものが通常である。
2 破壊的技術が最初に商品化されるのは、一般に、新しい市場や小規模な
市場である。
3 大手企業にとって最も収益性の高い顧客は、通常、破壊的技術を利用した
製品を求めず、また当初は使えない。概して、最初は市場で最も収益性の低い
顧客に受け入れられる。

〇破壊的イノベーションは調和しておこる
飛行が可能になったのは、人間が、世界の動きをつかさどる自然の法則や
原理、重力の法則、揚力、抗力、抵抗の概念を理解するようになってから。
法則や論理と戦うのではなく、それを認め、その力と調和する飛行システム
を設計することによって、かつては想像もできなかった高度と距離を飛行で
きるようになった。

〇原則に調和し、順応するために経営者がどうすればいいか
原則1 企業は顧客と投資家に資源を依存している
 主流企業が迅速に破壊的技術で地位を築くことに成功したのは、経営者
 が自律的な組織を設立し、破壊的技術の周辺に新しい独立事業を立ち
 上げる任務を与えたときだけ
原則2 小規模な市場では大企業の成長ニーズは解決できない
原則3 存在しない市場は分析できない
原則4 組織の能力は無能力の決定的要因になる
原則5 技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない

〇顧客と緊密な関係を保つべきとそうすべきではないときがある。

〇「バリュー・ネットワーク」という概念がある。企業はこの枠組みの中で
顧客のニーズを認識し、対応し、問題を解決し、資源を調達し、競争相手
に対抗し、利潤を追求する。そのなかでは、各企業の競争戦略、とりわけ
過去の市場の選択によって、新技術の経済的価値をどう認識するかが決
まる。持続的イノベーションや破壊的イノベーションを追求することによっ
て、どのような利益を期待するかは、この認識によって異なる。実績ある
企業は、期待する利益のために、資源を持続的イノベーションに投下し、
破壊的イノベーションに与えない。

〇破壊的技術は、まず新しいバリュー・ネットワークで商品化され、次に
確立されたネットワークを侵食する。

〇わが身と会社の利益を考えるマネージャーは、確実に需要のある
プロジェクトに支援する傾向にある。実績あり企業は、自分たちが属す
るバリューネットワークの財務構造や組織の文化に束縛されている。

〇優秀な企業がつまずくのは優秀な経営陣そのものが根本原因。
思考している企業は、顧客のニーズにこたえ、収益性を高め、技術的
に実現可能で、堅実な市場に参加するために資源を集中したいと考える。
これらの目標を達成するプロセスが、破壊的技術を育てるのにも有効
だと考える。

〇失敗した企業の原則
1 資源の依存。優良企業の資源配分パターンは、実質的に顧客が
支配している
2 小規模な市場は、大企業の成長需要を解決しない
3 破壊的技術の最終的な用途は事前にはわからない。失敗は成功の
第一歩
4 組織の能力は、組織内で働く人の能力とは関係ない。組織の能力は、
そのプロセスと価値基準にある。現在の事業モデルの核となる能力を生
み出すプロセスと価値基準が、実は破壊的技術に直面したときに、無能
力の決定的要因となる。
5 技術の供給は市場と一致しないことがある。確立された市場では魅
力のない破壊的技術の特徴が、新しい市場では大きな価値を生むこと
がある。

〇成功した経営者はどうしたか
1 破壊的技術を開発し、商品化薄rプロジェクトを、それを必要とする
顧客を持つ組織に組み込んだ。破壊的イノベーションを「適切な」顧客に
結びつけると、顧客の需要により、イノベーションに必要な資源が集まる
可能性が高くなる。
2 破壊的技術を開発するプロジェクトを、小さな機会や小さな勝利にも
前向きになれる小さな組織に任せた。
3 破壊的技術の市場を探る過程で、失敗を早い段階にわずかな犠牲で
とどめるよう計画を立てた。
4 破壊的技術に取り組むために、主流組織の資源の一部は利用するが、
主流組織のプロセスや価値基準を利用しないように注意した。
5 破壊的技術を商品化する際は、破壊的製品を主流市場の持続的技術
として売り出すのではなく、破壊的製品の特長が評価される新しい市場を
見つけるか、開拓した。

〇企業のイノベーションのパターンは資源配分のパターンをそのまま
映したようになる。組織の非経営参加者の決定が大きな関心を集める。

〇初期の破壊的技術によって生じるチャンスが動機づけとなるほど小規
模な組織に、プロジェクトを任せる方法を選ぶべき。独立した組織をスピン
アウトさせるか、適度な規模の企業を買収すればいい。

〇破壊的技術の用途となる市場は、開発の時点では単にわからないだけ
ではなく、知りえない。破壊的イノベーションに直面したときにマネージャー
が打ち出す戦略と計画は、実行するための計画というより、学習し、発見
するための計画であるべき。どこに市場があるかわからないという心構え
で破壊的事業にアプローチすれば、新しい市場に関するどんな情報が最
も必要なのか、その情報がどのような順序で必要になるかを見極められる。
重要な不明点を解決してから、資本、時間、資金を投入することになる。
「発見志向の計画」が大切。

〇専門家の予測は必ずはずれる。成功する事業と失敗する事業の最大の
違いは、一般に、当初の計画の正確さではなく、新しい事業を計画を立てて、
2度、3度と試行錯誤できるように十分な資源を残しておくことである。

〇資源が働く組織そのものに、成功する能力を持たせなければいけない。
組織の能力と無能力を定義する中心的要因は、時間とともに、資源から認知
しやすい意識的なプロセスや価値基準、そして文化へと移行していく。
買収する場合、子会社の独立性を保ち、親会社は子会社のプロセスと価値
基準へ資源を投入する戦略を取る。

なんだかかなり長くなり、ごめんなさい。これ以外にもいろいろ考えさせられ
ることがいろいろとありました。破壊的イノベーションがどういうことなのか、
どう対処すべきか、とても勉強になりました。

良かったら、手に取ってみてください。
by jungae | 2014-01-21 08:08 |
8月スタートですね。月末で少しばたばたしておりました。
ちきりんさんが『未来の働き方を考えよう』という本を読みました。
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リンダ・グラットン教授が書いた『ワークシフト』に影響を受け、今回の本を
書いたとか。いろいろ考えさせられたので、気になったところを記します。

○これまでの世代の人たちは、日本で日本人にモノを売る仕事につき、
かつ、そういう仕事をやっていれば給与も上がってきた。それは日本が
市場として成長し続けていたから。これからの子供たちには、そういう
未来は用意されていない。

○日本の高度成長期に目指したもの
 -技術革新や教育レベルの向上により生産性を上げ、
 -できるだけ付加価値の高い仕事をして収入を増やし、
 -稼いだお金で大量の者やサービスを購入(消費)して生活を便利にし、
 -その過程で大量のエネルギーを消費する
という社会であり、働き方。

○ITの革命は産業革命以来の革命と言われるが、革命とは何か?
「パワーを持つ層の交代」が起こることが、革命と呼ばれる条件。従来の支配者
層ば没落し、それまで抑圧されていた層との力関係が逆転した場合に、革命と
呼ばれる。
ITの進化は、これまで圧倒的な力を持っていた国や大企業などの大きな組織
から、いままではそれらに従属するしかなかった個人や、個人が集まっただけ
のネットワークへ、パワーシフトが起きている。

○インドにいながらにして、アメリカレベルの賃金を狙えること=アメリカとインド
が同一労働・同一賃金が成立することが、グローバリゼーション

○寿命が100歳になる時代に一生一つの仕事は非現実的。
若いときはより高いスキルを身につけて成長したいと考える人が多いでしょうが、
50代以降には、成長よりも、自分の力を社会のための役立てたいと考える人が
増えるはず。

○人生100年の時代になれば、ストックが多いことより、その時々になんらかの
価値を生み出し続ける「フローの力」のほうが重要になる。いくつになっても
人間関係を築くことができるフローの力が大切。

○これからは社会で求められる価値を提供する力をつけるための教育が必要。

○ミニマムに暮らすという選択肢も検討すべき。一生に必要な費用は次の4つ。
1 基礎生活費、2 住宅購入費、3 育児、教育費、 4 老後費用

○「一生の間に2パターンの職業人生をおくる」という考え方がいい。
行ったことのない場所だと最初はパッケージ旅行がラクダがい、2回目は自由
に旅をしてみたいと思う。
最初の人生は、パッケージ旅行と同様、就活する、フルタイムで働き始める、
結婚する、子どもをもつ、家を買う、といった定番ライフがコンパクトに組み合
わさったパッケージライフ。次は自分で創るオリジナルの働き方。
20年働き、様々な条件が整った40代という時点で、20代の就活後初めて、
主体的な働き方を選びなおすという視点を持つことが大切。

○第2の就活@40代の有利な点
ー自分のやりたいことや適性がリアルに理解できる
ー現在の延長線上にある生活が、ほぼ予測できる
ー今後の生活に必要なお金の額が、ほぼ把握できる
ー社会の仕組みがりかいできている
ー大企業、中小企業のメリット、デメリットが客観的に理解できている
ー自分の能力や知識がどこで活かせるか、想像し、自分でアプローチする
方法も考えられる

○「ゆるやかな引退」という選択
働き盛りの40代の間に自分スタイルの働き方に移行し、定年などの区切りを
設けず、状況に合わせて調整しながら、無理なくゆっくり続けるほうが、自然
ではないか

○長生きリスクに完璧に備えるのは不可能。100年続く人生で自費でやって
いける資産形成をできる人などほんの一握り。それなのに多くの人が将来の
ために我慢をするが、それでいいのか。

○市場で稼ぐ力を身につけていく必要がある。

なんだかまた気になることに羅列になり、ごめんなさい。
独特の考え方ではあるものの、高齢化が進む中で、職業生活を2回送る、
というのはとても新しい視点で、必要になってくるかもなーと感じました。

よかったら手に取ってみてください。
8月スタート。よい1日を過ごされてください。


by jungae | 2013-08-01 07:24 |
仕事の王道―「疲れた自分」から抜け出す働き方』という書籍を読みました。

いろいろな書籍を記されている小宮一慶さんの著書です。
実は主人が持っていて、少し読んでみることに。かなり身につまされることが
かかれていました。気になったことを記します。
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○成功している人は素直。素直さを自分のものをするたみに、3つのステップが
ある。
第1ステップは「聞く」こと。相手が言っていることを受け入れる姿勢をもつ。
第2ステップは良いと思ったことはやってみる。よいと思ったことがあったのなら、
あれこれ悩まず、まずやってみること。
第3ステップは「やり続ける」こと。結果だでないからとやめてしまうのではなく、
結果が出るまでやり続けること。

○どうせやるなら日本一、世界一を目指せ
一人前と一流は違う。一流になれる人は、一人前になったときにも、半人前の
ときの熱心さを持っている人。GoodはGreatの敵。

○仕事の本質を勉強することが必要。本質を勉強しておけば、複雑な仕事に
耐えられるようになる。
仕事をテキパキとこなすことを仕事だと思っている限り、深くものを考える
力は育ちません。それは「作業」にすぎない。物事には深いところ、本質が
ある。本質をきちんを見につける力を持つことが大切。

○仕事ができない人を見ていると、仕事に取りかかるまでの時間が遅いと
いう傾向がある。机の上には、常に愚痴の仕事にそのままとりかかれる状態
にしてあります。

○自分の仕事にかかわらう深い勉強をする。50時間あれば一つの分野の
専門家になれる。

○They Sky is the limit.
空が限界、つまり限界がない。限界を決めているのは自分。

○変えられるのは「今」「ここ」「自分」だけ。自分でコントロールできないこと
に悩まない。

またいろいろ羅列になり、ごめんなさい。ただ、考えさせられるいろいろな
ことが書かれていました。よかったら、手に取られてください。
by jungae | 2013-06-27 07:19 |
DeNAのファウンダーの南場智子さんの『不格好経営―チームDeNAの挑戦
という書籍を読みました。
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話題を呼んでいる企業である分、いろいろと言われていますが、彼女自身が
赤裸々に綴っており、とても感じるものがありました。
エッセイ風になっているのですが、心に残ったこと、気になったところを書いて
みます(かなり独断と偏見で選んでいますが)。

○苦しいときに2つのことを意識する。ひとつは、とんでもない苦境ほど、素晴ら
しい立ち直り方を魅せる格好のステージだと思って張り切ること。もうひとつは、
必ず後から振り返って、あれがあってよかったねと言える大きなプラスアルファ
の拾い物をしようと考える。3番目に付け加えるとしたら、命をとられるわけでは
ない。

○コンサルティングと経営はまったく異なった。コンサルタントのときは大きな
おごりがあった。自分が経営者だったらもっとうまくできるんじゃないか、と
思った。しかし、「言うのとやるのは大違い」。

○会社を立ち上げ、オークションサイトのシステムの仕様書をつくり、リクルート
の信國さんに見てもらったときに「ユーザーから見た場面のみ考えられていて、
バックエンドがない。オークションに不適切なものが出品されたらどうやって
削除するのか、クレームメールが来たときにどうやって対応するのか、そうい
った裏側の設計が表側と同時に重要だが、そこの設計が抜け落ちている」
と言われた。

○開発が完了しているはずの日にコードが1行も書かれていない。開発は
システム会社Nさんの九州にいるチームが作っているはずだったが、でき
ていない。朝4時にシャワーを浴びてシステム詐欺にあったとつぶやくと、
ご主人が起き上がり、質問をしてきて次のように言った。
1 諦めるな。その予算規模なら天才が3人いたら1カ月でできる
2 関係者、特にこれから出資しようとしている人たちに、ありのままの
事実を速やかに伝えること。決して過少に伝えるな。
3 「システム詐欺」という言葉はやめろ。社長が最大の責任者、加害者
だ。なのにあたかも被害者のようにいたら誰もついてこないぞ。

○コンサルティングから起業家になったとき、コンサルティングと会社経営
は違いすぎて、ここで学んだスキルが直接、のちのキャリアにおおいに役
立ったとは言えないが、それでも、ひとつの職業で曲がりなりにも通用する
人材になれたことが一定の自信となり、その後の進路で頑張り抜く力を
与えてくれた。今仕事がうまくいっていない社員がいたとしても、カチッと何
かが符合すれば、見違えるようにのびのび活躍する可能性がある。
はじめからデキるスーパースターばかりに頼るのではなく、人の力を信じ
て引き出せる会社にしていきたいと思うのは、このときの経験から。

○ビッダーズ初期のメールのやり取りはすべて目を通し、特に大きな問題
や厳しいお叱り、また常軌を逸したようなクレームには、カスタマーサポー
ト担当に代わって自分で返事を書いた。

○出会い目的での利用が事故を生んでいた時期。
大小合わせてすさまじい数の対策を実施。新潟のカスタマーサポートセン
ターで365日24時間監視。大手事業者の中で最小の事故件数になる。
できたのはなぜか。「気合い」。後にプロ野球参入に際し、一部から、出会
い系の会社に球団を持たせたくないという趣旨の発言があったように聞く
が、もしそのような発言が本当にあったなら、この事実をもって反論したい。

○成功やアイデアの帰属よりもチームの成功を優先し、「誰」ではなく
「何」を重視するDeNAの文化をしっかりと築いていく。

○DeNAが身を置く業界はとても競争が激しく、マスコミからもよく競合に
対する意識を尋ねられる。けれども、真の競合は「ユーザーの嗜好の
うつろいのスピード」だと認識している。それより半歩先に適切に動かな
ければいけない。

○事業が伸び悩み、苦しい時期に作ったDeNAクオリティー。
DeNAでは、チームとして最大限のパフォーマンスを発揮するために、
全社員に必要な共通の姿勢や意識として「DeNA Quality」を掲げて
います。
-デライト(Delight)
-球の表面積(Surface of Sphere)
ー全力コミット(Be the best I can be)
-透明性(Transparency & Honesty)
ー発言責任(Speak Up)

○現会長の春田氏が入社してしばらくたったころ、南場カンパニーに
したいのか、それとも公器として育てていきたいのか決めてくれ、どち
らにしてもそれなりのサポートの仕方がある、と聞かれた。熟考の末、
社会の公器として発展させるために責任を果たす、と決意した。

○ご主人のがんとの闘病生活について
日本人は自分のことは自分でやりなさい、人に迷惑をかけないように
しなさい、と言われて育つ。でもそんなことをは全部かなぐり捨てて
生きることに固執し、悪あがきをし、いろんな人に支えられて踏ん張っ
た夫のことの2年間は、迷惑をかけない生き方よりも、人間として
はるかにしっくりくるように感じることもある。

○社長の一番の仕事は意思決定。「継続討議」にしてはいけない。

○人は育てるには「任せる」こと。人は人によって育てられるのでは
なく、仕事で育つ。成功でジャンプする。簡単な成功ではなく、失敗
を重ね、のたうちまわって七転八倒したあげくの成功なら大きな
ジャンプとなる。

○組織の作り方
1 全員が主役と感じ、ひとりひとりが仕事や成果にオーナーシップ
を感じるようなチームの組成、仕事の単位となっているか。
2 チームの目標がわかりやすく、そして高揚するに足る十分に
高い目標となっているか。 
3 チームに思い切った権限委譲をしているか。信じて任せているか。

○優秀な人に共通しているのは「素直だけど頑固」「頑固だけど素直」

○出戻りは私はおおむね歓迎する。外を見て、視野を広げたうえで
また選んでもらえるならその選択は本物だし、DeNAのよさや課題
を客観的に捉えて改革の旗振りをしてほしい。

○世界中のリソースを柔軟に活用できるチームこそ大きな成果を
生み出していくことは間違いない。独自の思考と力強い突破力で
必ず成果の出せる人材は、言語や文化の境目にかかわらずユニ
バーサルに求められる。特定組織にだけ通用する独特な仕事の
まわし方などマスターしなくていい。どんな環境においても力を
発揮できるようになってほしい。

なんだかかなり長くなりごめんなさい。
彼女の思いがかなり伝わってきて、少し熱くなったのでした。
よかったら、手に取ってみてください。
by jungae | 2013-06-19 07:20 |
旅の報告をと思いつつ、もう一つ書籍を読んだので、それについてまたご紹介
します。『なぜ日本企業では情報共有が進まないのか―ナレッジ・マネジャー
7つの心得
』という書籍です。
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知人に勧められたのですが、1999年に出された書籍。14年前に出された
にもかかわらず、今とあまり変わらず、新鮮さすら覚えました。
気になったところをまとめてみます。

○情報化時代に生き残れないマネージャーは、パソコンができないマネジャー
ではなく、豊かな知識や深い智恵を持たないマネジャー。

○「パソコンを使えるか、使えないか」というのが問題なのではなく、これまで
「パソコンでも容易にとって代わられない仕事」をしてきたかどうかが問題。
データ・マネジメントをやってきたマネジャーは生き残れない。単純なデータ・
マネジメントからは解放された、高度なマネジメントができると奮い立つマネ
ジャーだけが生き残れる。高度なマネジメントとは「ナレッジ・マネジメント」
のこと。ナレッジはデータに比べて「より高付加価値の情報」。

○「パソコンができる」とは「情報機器の扱いが上手である」ということ。「仕事
ができる」とは「情報の扱いが上手である」ということ。ここには大きな違いが
ある。「情報システム導入」が「情報化」ではない、「情報化」とは、何よりも
「情報の扱いが上手になること」。

○企業において社員が自発的に情報共有を行っていく「情報ボランティア」と
呼ぶべき企業文化を生み出したいのならば、何よりも、社員が自発的に情報
共有ができる「手段」を生み出すべき。

○手段を生み出したからといって、何もせずに意識が変わるわけではない。
「切れ味のいいハサミを持つと、紙を切りたくなる」ではなく、「切れ味のいい
ハサミを持ち、他の人が上手に紙を切っているのを見ると、紙を切りたくなる」。
要するに「やってみせなければならない」

○データ、ナレッジ、ノウハウを区別してつかう。ナレッジとは、ニュアンスに
富んだ言葉で表される高付加価値の情報であり、定型化してデータベース
に入れることができない情報。「言葉にならない智恵」をでも呼ぶべきものが
きわめて大切な役割を果たしており、過去の日本企業の「強さ」の要因は、
こうしたノウハウやスキルといった「暗黙知」のレベルの情報の共有を巧み
に行ったことにある。

○どれほど膨大なデータを集め、どれほど最先端のデータベースを構築して
も、それだけでは決して企業の戦力アップにはならない。それらの膨大な
データのなかから、大切な「ポイント」や「要点」をつかみ取り、現場の第一
線で顧客や他社と格闘している部隊に対して、簡潔に教えてあげなければ
いけない。膨大なデータのなかから試合に勝つためのポイントをつかみ取る
のは、野球ならば監督がやる。

○データマネジメントにおいても求められるのは直観力。直観力を磨くには
①データ分析手法の盲点を知る、②データ分析結果の相互チェックを行う、
③データ分析が見失ったものを発見する力を養うこと。

○「生きた言葉でメンバーにナレッジを伝える」こと。ナレッジには公式の
ナレッジと非公式のナレッジの2つがある。大切なのは非公式なナレッジ
であり、これを共有するのが大事。

○豊かなナレッジを伝えるのは、「結論」や「要点」だけでなく、「文脈」(コン
テキスト)や「背景」(バックグラウンド)をしっかりと伝えないといけない。
あるプロジェクトについて大切なのは、「どのプロジェクトが採用されたか」
といった「結論」に関する情報よりも、「なぜ、それ以外のプロジェクト企画
が採用されなかったか」といった「文脈」に関する情報。また、過去にどんな
プロジェクトがあったのか、社内に現在関連するプロジェクトがあるのか、社
外で類似のプロジェクトがあるのか、などの「背景」の情報が極めて重要。

○プロジェクトや業務において習得したナレッジを積極的に交換し、共有する
ためのもっとも良い方法は「反省会」を行うこと。

○社内人脈を持っているとは、第1に優れたノウハウを持っている人材との
社内人脈の広さであり、第2にその社内人脈に関する一種のデータベース
を頭の中にしっかりと持っていること、第3にその人脈データベースを瞬間的
に活用できること、第4に連絡一本で時間をとってもらい、ノウハウを提供
してもらえること。「ノウフー」が大切。

○大切な情報を共有せずに囲い込むのは、「評価されない」「学ぶものがな
い」「共感できない」という理由がある。「情報ボランティア文化」を創っていく
ためには、この情報囲い込みの3つの理由を理解したうえで、ナレッジ・
マネジメントを行わなければいけない。
 ①ナレッジやノウハウを提供したメンバーに高い評価が与えられる「評価の
 場」を創る
 ②ナレッジやノウハウを互いに学びあえる「学習の場」を創る。
 ③自分のナレッジやノウハウによって他のメンバーを支えることを価値とする
 「共感の場」を創る。

なんだかまたもや気になることの羅列となってごめんなさい。
ただ、最近「ビッグ・データ」をいう言葉がかなりはやっているものの、データを
どうナレッジやノウハウに変えていくか、それが大切なのかなーとも思いました。
14年前とは思えないほど、何か本質を突いているとも感じたのでした。

今日からGW後半戦スタート。楽しく過ごされてください。
by jungae | 2013-05-03 09:18 |