います。
先日日経産業新聞ネットイヤーグループの石黒不二代さんが「文・理の
要素融合、革新生む」というタイトルで、面白いことを言っていました
(4月9日2面)。
==
あらゆるチャネルで消費者が情報を取得したり、商品を購買したりする
ことができるオムニチャネル時代のユーザーエクスペリエンス(UX)を
もう一歩進めて、「インターネット・オブ・シングス(IoT)」時代の
UXについて考えてみたい。UXとは、日本語で利用者体験、IoTはあら
ゆるモノをインターネットにつなぐという意味だ。
…
時間的差異がなくなるということは、利用者が体験をすぐに消費して
くれるという利点がある。その一方でサービス提供者は大量のデータ
を管理しながらも利用者が必要とするデータだけを取捨選択する、つ
まり、情報のキュレーションが必要になる。
…
ユーザーインターフェースの概念も現在の入力やタッチとは異なって
くる。このためIoT時代のUXを設計するにあたっては、2つの飛躍が求
められる。1つは技術だ。大量のデータからリアルタイムでカスタマイ
ズされた情報をユーザーに提供できるようにするには、リアルタイムで
大量のデータを遅延なく欠損させずに流し込む安価なストリーミング技
術とそれを分散させる仕組みが必要になる。さらに、ストリーミングさ
れた大量のデータをリアルタイムで集計、分析することができる検索エ
ンジン向け分散フレームワーク技術などを使うことになるだろう。まさ
に「理系の人、頑張れ」である。
一方で、情報等コンテンツを制作する上で必要な「カスタマージャーニ
ー」を考える時は、どんな具体的なイメージを持ってシナリオを策定で
きるかという「想像力」とそれをまとめる「編集力」が不可欠になる。
カスタマージャーニーとは消費者がどのように商品などに関心を持ち、
購入などに至るかを旅にたとえた表現だ。
例えば対象とするのが40代の女性であれば、具体的な印象、行動などを
可視化する力や時代背景に関する分析、それらを表現する文章力など
文系的な要素が必要だ。IoT時代のUXを設計するにあたっては、理系と
文系的要素の融合によってイノベーションを生み出す必要がある。
==
私自身はメディアデザインと国際経営学の二つを専攻したのですが、
メディアデザインは少し理系的であり、国際経営学は文系的な面があっ
たように思います。理系、文系という分け方がいいのかという話もあり
ますが、まさにいろいろな要素を取り入れ、そしてそれらを持つ人たち
が協力し合いながらやって行くことが求められるかなーと思います。
大学院の卒業式で、学長およびスピーカーの方が次のようなことをおっ
しゃっていました。
==
人は、人との関係を通じて成長できる。
福沢諭吉先生は、Societyを人間(じんかん)社会と訳した。
先生と先生、生徒と生徒、先生と生徒が学び会う、対話を通して学び
合うことが大学、大学院の意義である。
そして、大学院と学部の違いとして、
○学ぶことへの意識が高くなる
○専門領域がある
○グローバルを意識する
(ただし、グローバルはただ全てをグローバルに迎合するということ
ではない。)
==
いろいろなことを考えながら、大学院での学びを振り返り、今後を
考えています。
みなさんはどう思われるでしょうか。

天気が良く、気持ちいい中で迎えることができました。

年がいもなく、袴をきてみました(今後切ることもないだろうと思い、思い切って
着てみました。

式が行われる日吉記念館。

厳かな雰囲気の中、式は進んでいきます。

ちなみに子供たちも着てくれました。
夜遅いグループワークもあり、何度となく学校に連れてきましたし、香港、
フランスへの留学にも付き合ってくれて、彼らも一緒に卒業です。

広いキャンバスを動きまわっています。

学部に戻って学位授与式がありました。


何度となく通った協生館と日吉駅。

夜には代官山のレストランで謝恩会。
こんな多くの先生方に支えられました。


無事に受け取れました。
(実は、私はダブルディグリープログラムだったので、もう一つ修士号を
もらう予定です。)
家族、友人、先生方、本当に多くの方に支えられ、この日を迎えることが
できました。子連れ留学は途中何度となくめげそうになり、くじけそうにな
リましたが、あらゆる人の力を借りて、どうにかこうにか乗り越えることが
できました(大家さん、シッター、地元の高校生、子どもたちの先生など)。
やはり感慨深いです。
この大学院の学びが今後どう生きてくるのか、人生の中で何を意味する
のかは、改めて考えて、振り返ってみたいなーと思います。
支えてくださった方、本当に本当にありがとうございました!
先日ちらっと話しましたが、3月30日が大学院の卒業式で、これが大学院
での最後の授業となるかと思われます。
スタンフォード大学のShelly Goldman氏(Professor, School of Education)
およびWilliam Burnett氏(Executive Director, Stanford Design Program)
の特別講義がありました。

Shelly Goldman教授は、「デザイン思考を使った相互学習」について、
特に高校生と大学生の理系学習(STEMと言うそう、Science, Technology,
Engineering, Mathematicsの略)の参加を促すことに焦点を当てて、話して
くれました。

「どの形が異なるか」
Cと答えた人が多かったのですが、実はすべてが異なるのです(直線だけ、
角がない…)

統計的に見ると、このような結果になるとか。
なぜ多様な答えになるか。解釈の問題もあれば、質問自体が曖昧で、
このようになることもある。
学校では「答えを一つ」と教える傾向があるが、答えは一つではない。
Stanfordでは、いろいろな専攻の学生たちと小中高校生を交えて、
STEMに興味を持ってもらえるようなデザイン思考を使ったワーク
ショップをして成果をあげつつあるとか(先生向けのものもあり)。
解決方法は一つではなく、様々な学問分野を使いながら、解決していく方法
があるのではないかと話していました。

William Burnett教授は、デザイン思考について。

30個の○を描き、そこに何かしら絵を3分以内に描く。
(私が描いてしまった後で、少し汚くてごめんなさい。)
1つの○に描かなくてはと思うと、なかなかかけないけれど、いくつかを
つなげることができる、3D的に考えられると発想したり、周りの人と相
談できると、無限に可能性が広がる。答えはない…。
思考法について話してくれました。

(見にくくてごめんなさい。)
Engineering Thinking - Solve your way forward(前に向かう道を解決をする)
Business Thinking - Optimize your war forward(前に向かう道を最適化する)
Design Thinking - Build your war forward(前に向かう道を構築する)
デザイン思考では、好奇心(Curiosity)を持ち続けるとが大事であるとともに、
間違ってもいいと思える環境を作ることも大事だと言います。
私の通った慶應義塾大学メディアデザイン研究科はデザイン思考を学ぶことに
重点を置いています。
「前に向かう道を構築する」
その力が果たして身についたかどうか。
これからのキャリア、社会との関わりの中でこれをどう活かせるか、それに
かかっているなーと思います。

ちなみに昨日は慶應高校の卒業式をやっていました。
私も来週いよいよ卒業。こんな歳ではありますが、やはり泣けるかしら、
などとも思ったのでした。
(どの大学院に行っているか、覚えていますか?! 慶応義塾大学大学院
メディアデザイン研究科というところです。)
実は全然行けていないのですが、先日世界的なデザイン会社である、
IDEOのCEOのTim Brown氏が来日し、講演会がありました。

いろいろと考えさせられることを言っていたので、まとめてみます。
◆Creativityがますます重要になっていて、デザイン思考も国境、様々な分野を
超えて注目されている。IDEOでは、デザイン思考をどのように使っているのか?
デザインはとてもマジカルでミステリアス。未来をつかんで今の持ってくるよう
なもの。世の中に好奇心を持ち続けることで、疑問を持ち続けることになる。
「なぜ私たちはこれをするのか?」「なぜうまく行っていないのか?」
デザイナーは最初は個人的にスタートするが、コラボレーションをすることで
さらに広がっていく。
直感がそれが現実的なもの、具体的で、実態のあるものになる。
デザイナーは直感的にやるが、デザイナーでない人にとってもデザイン思考は
とても大切。より複雑な問題に立ち向かうとき、それはとても重要になる。
Cocreate(共創)、コラボレーションの時代。多様なバックグラウンドを
もった人を持つことは大切。
デザイン思考はプロセスではあるが、直線的ではない(Linear)ではない。
直線で使う時もあれば、ときに脱線する必要もある。フレキシブルは大切。
問題が複雑になればなるほど、デザイン思考と従来の手法をうまく組み合わ
せることが大事。
◆慶応などの高等教育機関はMOOCSなどのオンライン教育(MITや
Stanfordなど)の脅威にさらされているが、どう思うか?
教育をより多くの人が受けられるという意味では、オンライン教育はいい。
IDEOもあるオンラインコースを大学と一緒にやっているが、50%の修了率
を誇り、評価が高い。修了率を上げる秘訣としては、3人以上がチームを組
んで、実際にコラボレーションして課題に取り組むことを課した。
高等教育にいろいろな選択肢があっていのではないか。高校を出て働いて
戻ってくる。働いてまた学校に行くなど。
大学という形式が生まれて1000年以上たっているが、その形は全然変わっ
ていない。Researchとteachにばかり力を注いできた。それはもう遅いの
ではないか。Design思考はまた違う視点で教育を捉えている。
全員が大学に行かなくてもいい。ドイツの制度はいいのではないか(マイ
スター制度など)。
◆伝統的な会社はデザイン思考をどう使えるか?
昔のパラダイムは…
大部分は変わらず(同じ)、少しだけ変わる
しかし今は…
大部分が変わり、少しだけ変わらず(同じ)。
環境が劇的に変化し、仮説も変わっている。
それに合わせて組織のデザインも変わる必要がある。効率性を求めるやり
方はもう時代遅れで、危なくさえある。キャパシティを広げないといけな
い。新製品開発の重要性が高まっているが、それがうまくいっていない。
大企業にも果たす予定が大きい。ニッチではなく、マスをターゲットに
しているから、そこが変わるとインパクトも大きい。
組織は常にイノベーションを続けないといけない。
◆世界的な課題、様々な知識をどう集約して社会に貢献していくか、
そこにデザイン思考をどう使えるか?
ある途上国の女性の妊娠問題に取り組んでいる。NPOと組んだり、政府
と連携したりしている。短期的なリターンを求めるものだけでなく、
長期的にビジネスを考えていくものも今後は見ていく。
◆IDEOの中でどうコミュニケーションをしているか?
Onlineのプラットフォームがあり、そこで情報共有をしている。
「10 challenges in five years(今後5年間の10個のチェレンジ)」
というのを設け、議論をしている。
◆世界経済フォーラムで、circular economy(循環経済)というのが
話題になったが、どう思うか?
現実はかなり複雑だと思う。ものの作り方自体を変えないといけない
こともある。Biology(生物学)は今後あらゆる人が学ぶ必要があるの
ではないか。
本当にcircular economyが本当に可能かどうかを考えないといけない。
◆Creative economyが言われるようになっているが、そのいい例と
なる都市はあるか?
Creative economyがどういうものかしっかりと定義する必要はある。
私の定義はいわゆるクリエイティブ産業(エンターテインメント、建
築など)と他のあらゆるセクターの産業が協力し合い、作っていくも
のだと考えている。
韓国はいい例と言えるかも。15年前までは全然その考え方がなかっ
たが、「K-pop」をはじめ、音楽、映画をうまく売り出している。
テキサスのオースティンも、ライブ音楽を楽しめる場所として売り出
している。シリコンバレーもそういう動きがあり、フィンランドやシ
ンガポールも面白い。
◆何か聴衆にメッセージはあるか?
日本には大きな可能性があると思う。小売りは素晴らしいし、食文化
もある。起業家への投資を積極的にすべき。特に、初期投資はある程
度もらえるが、スケールアップを助ける投資は必要ではないか。
オリンピックはひとつの大きな契機になり、ツーリズムも流行るので
はないか。伝統的なものと新しいものをどう見せていくか。伝統的な
ものと新しいものをつなげている人が必要。
◆Creative leadershipについて
1つにはCreative entrepreneursがいる必要がある。2つには、組織や
政府でリスクをとって、そういうアントレプレナーズを支える仕組み
が必要。
◆失敗(Failure)を恐れる文化があるが。
失敗をよしとしない文化は他の文化でもある。ただし、何か新しい
ものができるということは、その下に数多くの失敗があるから。
失敗(Failure)という言葉自体がおかしいかもしれない。「それで
終わり」みたいな印象を受ける。
「学び」ではないか。
個人、組織、政府、学んだ知識をどう使うかが一番の課題。
アメリカは失敗から得たもの、知識を活かしてきた。
How can we maximize the learning(学びをどう最大化できるか)?
答えは一つではない。
答えが一つという文化があるし、教育を通じてそれを教えこまれて
いるところがある。
世界が全て定義されているとは思うな。新しい答え、ソリューショ
ンが常に出てきていて、クリエイティビティを養う必要がある。
◆ダイバーシティとはどれくらいのものを指すのか?
公式というものがあるわけではない。自分と異なる価値観をもった
人を入れること。ただし、Diversity of mindset(マインドセットの
多様性)というのもあり、1人の人の中に、様々なダイバーシティを
持っている人もいる(いろいろなところに旅をし、いろいろな人に
会い、文化に触れたりなど)。
◆Creative Entrepreneurs
トップダウンだけでもだめで、草の根レベルのものも必要。上と下
から押していくことで、徐々に変わっていく。
かなり長くなってごめんなさい。
私自身は実はちょっとしたところなのですが、以下が気になったの
です。
==
起業家への投資を積極的にすべき。特に、初期投資はある程度もら
えるが、スケールアップを助ける投資は必要ではないか。
==
起業、起業と言われるのですが、ある程度小さなものはできても
それをどうスケールアップするか、悩んでいる人もいるのでは
ないか。その支えは必要ではないかと思ったり。
実際に起業して、ただ、現実問題としては、家を買うときとか
にしたときに、無名の会社だとなかなかローンがうまく組めな
かったりして、そういう制度も見直していくべきではないかなー
とも思います。
ちなみに、日吉はいちょうがもう少しで色づきそうで、きれいでした。

きれいな黄色になるのは、あともう少しでしょうか。
実は修士論文の提出が12月19日。
1カ月を切りました。ちょこちょこ書いているのですが、あともう一息。
がんばります。
昨日大学院で特別なスキルセミナーがありました。私が参加予定のダブルディグリ
ープログラムで来ている留学生向けでしたが、私も参加させてもらいました。
Bloombergで行われ、「How to work in a Global Company」というものでした。

丸ビルにあり、皇居を見わたすこんなすてきな会議室で行われました。
いろいろ気になるところがあったので、ご紹介します。
○文化の違いを知るには、体験することが一番早い
○CQ(Cultural Intelligence)、文化指数という考え方が浸透しつつある。
○異文化で働くためにBloombergで実施しているのは、Aware(気づく)、
Analyze(分析する)、Adapt(適応する)、Achieve(達成する)という
ステップ。
○文化とは"software of mind"(心のソフトウェア)。
○観察(observation)と解釈(interpretation)は異なる。人は見るとすぐに
解釈したがるが、それは分ける必要がある。観察が大事。
○見えているのは氷山の一角。
○Cultural Dimension(文化的側面)
individualism VS Collectivism
Rist Tolerance(リスクへの許容度)
Power Distance(権力との距離)
Low VS High Context
2つのグループにわかり、テレビ会議システムを使ってあるワークを行い
ましたが、テレビ会議のむずかしさについて議論。
○技術的な問題。声が聞こえにくい。
○人柄がわからない
○インフォーマルな情報が手に入りにくい
○リハーサルをしたらいいのではないか。
○役割分担を明確にすべき。
その後働いている方との意見交換。
○積極的に行動する(proactive)であることが求められる
○アジアの学生の人のほうがambitiousかも。それは必要。
○Work Smartの時代。
また気になることの羅列になり、ごめんなさい。work smartという言葉が
気になるとともに、異文化の中で働くには、相手を観察し、理解し、対話
が必要だなーと感じたのでした。
慶応ビジネススクールの授業をいくつか受けさせていただいているのですが、
6月に終わった授業でボストン・コンサルティング・グループが提供してくれて
いた『戦略コンサルティング講座』という授業がありました。
4月からやっており、途中途中で紹介できたらと思ったのですが、ばたばたし、
今回まとめてみます(実は今日がレポートの提出日で、印象に残ったことと
その理由、限界について述べなさいとなっているのです)。
経営戦略の策定と必要について重要だと思われたものは何か。
この授業で学んだ中で以下を選びました。
1 ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは「論点」を「構造的に」分解すること。これが経営戦略
の策定と実行という観点から重要性が認められると思ったのは、現在は課題
が高度化し、チームとして解決することが必要な課題を扱う必要が出てきて
おり、ロジカルシンキングが不可欠だと考えたからです。
論点が明確であれば、課題解決に対する取組みはスムーズに進むように
なり、ロジカルシンキングが組織を動かすツールとなるというのはとても説
得力がありました。100人の組織を動かすことは、トップが熱い言葉で鼓舞
するだけでも十分可能で、思いを伝えたうえで、必要な指示を出せば組織は
動きます。しかし、1,000人、10,000人の組織を動かすためには、熱い
思いや断固たる覚悟に加えて、「なぜ、そう考えるのか?」が必要不可欠
です。それが、個々が迷ったときに判断を下す原点・指針となります。社外の
ステークホルダー(投資家など)の理解を得るためにもロジックは欠かせ
ません。意思を勝てる戦略に進化させ、ロジックを考え抜くことで、「論点」
「仮説」「検証アプローチ」が見えてきます。一方で、ロジックがあることで、
抜け漏れや見落としを防ぐこともできると言います。このような観点から
ロジカルシンキングは経営戦略の策定と実行においてとても重要だと
考えました。
ただ、その限界としては、現在、世の中が急激に変化し、これまでのやり方が
通用しない時代に突入しています。イノベーションの重要性が叫ばれ、0から
1を生み出すことが求められており、そこでロジカルシンキングは使えない
というのはロジカルシンキングの限界でもあるかと思います。1,000人、
10,000人いる組織よりも、志を同じくし、面白いアイデアを持ち、それを
実行に移せる数人が作ったものや世の中を大きく変える可能性を持って
います。志を同じくする人が小さくスタートし、プロトタイプを作りながら改善
していく――技術革新が進み、それが可能になる中で、0から1を生み出す
ことに使えないロジカルシンキングが役割を果たせるのか。0から1を生み
出すための使い方ももしかしたら今後出てくる可能性もあるかもしれない
ですが、注視していくべきではないかと思いました。
2 仮説思考
仮説思考についてなぜ重要だと考えたかと言うと、授業で紹介されていた
のは、①問題解決のスピードが上がること、②先見力と決断力が上がる
こと、そして、③情報の洪水。その通りだと思いました。グローバル化とと
もに技術革新が進み、情報があふれる中で、ある程度の仮説を持って取
り組まないと、ありとあらゆるものを探ることになり、果てしない時間がか
かります。
仮説思考と対照的な考え方として網羅思考が挙げられていました。その
思考のもとでは、網羅的に調査・分析を行い、それに基づいて答えを考え、
想定されうるあらゆる原因、解決方法を網羅的に調査し、解決方法の評価
も、多種多様な項目を用いて詳細に評価します。かなり時間のかかる作業
になります。一方で、仮説思考とは、調査・分析を行う前に、答えから物事
・課題を考え、仮の答えを立て、それを検証することで仮説を修正・進化さ
せ、そのプロセスを繰り返してその時点での最適な解決策を導き出し、
限られた時間/情報の中で、確からしい答えを導き出します。
この考え方ができていないと網羅思考に陥り、あらゆるものを調査し、時間
が限られる中で貴重なリソースを闇雲なものに充てていくことになり、大き
なロスが生まれます。スピードが求められる今の時代に仮設思考を身に
つけておらず、マネジメントが網羅思考で経営のかじ取りをすると、戦略の
策定、そして実行が全然進まなくなることが考えられます。
ただ一方で仮説思考の限界としては、「仮説」に縛られることが生じるの
ではないかということです。仮説を仮の答えとして検証し、修正・進化させ
ると言いつつも、逆に自分の仮説に合ったものだけを探す傾向に陥るの
ではないかということが懸念されます。仮説を持ちつつも、それに縛られ
過ぎない、あくまでも仮説でしかない、検証していく中で本当に正しいの
か、常に確認し、周りの意見も聞きながら、仮説を疑い、修正していくこ
とも必要になるのではないかと考えました。
なんかレポートっぽくてごめんなさい。ただ、よく言われるこの2つについ
てとても大切な考え方とも思いつつ、その限界も感じ、まとめてみました。
皆さんはどう思われるでしょうか。
『新事業創造体験』という授業を取っており、そこで自分のビジネス
プランについて話す予定です。

先生の他にベンチャーキャピタルの方2名がいらっしゃり、彼らが投資
をしたいかどうかで評価されるとか…。
私のプランは『世界であそぼう」というもの。
以前麻布十番〜六本木でフィールドワークをしましたが(フィールド
ワークの様子はこちら)、それにからんだプラン。
「世界であそぼう」というサイトを通して、子連れで旅をしたいと
考える人とコミュニティを作り、情報を共有し合うというものです。
今週ずっと準備を進めていました。プレゼン時間が10分と限られる
ので、プレゼンの練習もしっかりするようにと言われていました。
資料はほぼでき上がりつつあるので、午前はプレゼンの練習をします。
(ジョブスもプレゼンの練習は入念にしていた?! レベルが全然
異なるかもしれませんが…。)
頑張ろうと思います。けっかはまた報告できたらと…。
今日は雨のところが多いでしょうか。
よい1日を過ごされてください。
田中仁社長が話をしに来てくれました。

いろいろ興味深い話をしてくださり、とても感じることがありました。
○成功するには
明確なビジョン+適切なプロセスが必要
ビジョンは「メガネの歴史を変える世界No.1のアイウェアカンパニーヘ」
適切なプロセスのために、製品と店舗開発に取り組む。
○常に新しい製品を考え、パソコンやスマートフォンなど、LEDディスプレイ
から発せられる青色光、ブルーライトを除去するJINS PCを開発。
ドライブスルーの開発。
○業績が良くないとき、ユニクロの柳井会長から質問されたこと。
-我社は何のために存在するのか?
-我々は何のために仕事するのか?

○志という根っこがあり、その上に組織・戦略がある。
「あたらしい、あたりまえを」というメッセージを掲げ、JINSサバイバルプラン
を敢行。
○組織にゆるみを許さないためには新しいことにチャレンジし続けること。
○失敗がないことを約束された勝負はない。
○アメリカで90歳の人に話を聞くという調査があり、「もっとチャレンジしておけば
よかった」という人が多かったとか。人生は1度きり。チャレンジしてほしい。
気になることを羅列になってごめんなさい。
より研究を深めたいということで、ご本人はSFC(慶應藤沢キャンパス)の修士
課程で学んでいらっしゃるそうです。

その後は交流会を兼ねてみんなで少し飲みに行きましたが、とても気さくで素敵な
方でした。
「人生は1度きり。チャレンジしないともったいない」
様々な紆余曲折があったようですが、それでもチャレンジしてよかった、チャ
レンジしてほしい、というのはとても力強く、励まされたのでした。
訪れました。

スローンスクールといえば、ビジネススクールでトップクラス。
(前週に韓国を訪れ、この週に日本を訪問。その一つとして訪れたようです。)

石倉洋子先生がグローバル・リーダーについて講演。

研究科委員長の稲蔭正彦先生がThe Power of Storiesについて講演。
わが研究科では社会へのインパクト(Social Impact)を大事にしていて、
イノベーションとは、invention(発明)+deployment(配置)と考えてきた。
セレンディピティを起こるようにしたいと考えている。
さまざまな環境、さまざまな場所、人が交わるように考えている。

ビジネスにおけるストーリーの力とは・・・。
-メッセージを”sticky"(はりつく)ようにできる
-イノベーティブなアイデアを生成する
-コンテキストの中でフレームをつくるプロトタイプを評価する
-企業文化を理解する
-ユーザーが参加するコミュニティを構築する。

質疑応答に入りました。
興味深かった質問が「ビジネススクールにいる人、ビジネスの最前線にいる人
にどうやってイノベーションを教えたらいいのか」というもの。
ロールモデルを見せること、選択肢がいろいろあるということを示すことが大切
ではないかと話しました。企業の文化は環境が影響するということも。


その後はデモなどを見ていかれました。
ビジネスとデザイン思考、イノベーションをどう結びつけたらいいのか。
大きな課題ですね。私自身が研究を深めたいなーと思っている分野でもあります。
MITの方々のセッションを聞きながら、少しヒントを得た気がしたのでした。
今年2月に1度開催したのですが(こちら)、今回は新入生も入り、新たに
開催することにしました。
私が所属するメディアデザイン研究科だけでなく、いろいろな学科の
女性を巻き込みたいと思い、開催。
(慶応の大学院に通う女性の会として、KEW(Keio Executive Women)
というのを立ち上げたのです。)
今回は私が通うメディアデザイン研究科の教室で開催。

食事をいただきながら議論に花が咲きました。
(同じ建物内にある慶應ビジネススクールの方が多く参加してくださり、
教室の雰囲気の違いとかに驚いていました。)

ゼミ、勉強、課題、いろいろな話で盛り上がりました。

私の子どもたちも参加させていただきました。
その後少しKMD見学。

hacking Studioに。

いろいろな機材に興味津々。

音楽スタジオにも少し足を運んでみました。
10数人でしたが、いろいろと濃厚な話ができました。
いろいろな分野の人が集まれば、いろいろな意見交換があり、イノベーションが
起こる? 細々とですが、続けていけたらと思います。