人気ブログランキング |

アマプロ株式会社代表 林正愛が日々感じていることをつづります


by りんちゃん
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

タグ:クルーグマン ( 8 ) タグの人気記事

ギリシャショックで世界的に経済が不安定になってきたと書きましたが、
Paul Krugman氏はユーロの危機だと警鐘を鳴らしています。
The Euro Trap(4月29日)という記事です。

ほんの少し前までヨーロッパの経済学者たちは、「ユーロはとてもうまく
機能している」と称賛していました。
3年前まではユーロ通貨を使っているどの国も財政的には問題なく、
ユーロに入っているので、ギリシャ、スペイン、ポルトガルの国債は安全
という見方が広がり、海外資本もたくさん入ってきました。

しかし、2008年のリーマンショックが起きてからは、資本が入ってこなく
なり、多くの赤字を抱えることに。

ここではユーロという1つの通貨を持っていることがアダに。
1つの国で財政的に問題があった場合には、為替相場を操作するなど、
ある程度コントロールが可能ですが、多くの地域で1つの通貨を使って
いる場合には、1つの国の政策ではどうにもならず、組み合わせを考え
ないといけないと言います。
(ドイツではインフレ、ギリシャではデフレを目指すなど。)

ただ、このようなことはとてもむずかしく、現在は「ユーロ」という通貨が
危機に直面しているとクルーグマン氏は指摘します。
ヨーロッパのリーダーが真剣に取り組まないと、「ユーロ」という通貨の
存続が危ぶまれると警鐘を鳴らします。

多くの国で1つの通貨を持つ。
私個人的には、旅行をするときに便利だなーと思っていたのですが、
たしかに1つの通貨を使っていると、経済がいいときにはその恩恵を
享受できていいですが、悪くなると問題が出てくるのでしょうね。

アジアでも単一通貨を持とうという話がちらほら出ていましたが、
いろいろと考えていかないといけないのだなーと思ったのでした。
by jungae | 2010-05-10 06:39 | NewYorkTimesの気になる記事
ゴールドマンサックスが投資家を裏切った(損益が出ることをわかっている商品を
販売して、大きな利益を得た)として、SEC(Securities and Exchange
Commission、米国証券取引委員会)から訴えられましたね。

ポール・クルーグマン氏は、ゴールドマンサックスだけでなく、格付け会社を罰する
べきだと主張します。Berating the Raters(格付け会社を叱る、4月25日)という
記事です。

格付け機関は、企業が発行する社債、国が発行する国債などを評価し、
記号を用いて格付けを行っている会社(AaaやAAAなど)。ムーディーズ
スタンダード&プアーズ(S&A)が有名でしょうか。

話は脱線しますが、先日経済的な危機に直面しているギリシャの国債を、S&A
は投機的(ジャンク)等級の「BB+」に引き下げました。これはルーマニアと並び、
ハンガリーを下回る水準です(ちなみに、日本の国債はAAです。)

クルーグマン氏は格付け機関に問題があると指摘。
今回ゴールドマンサックスが訴えられる原因となった、投資家に売っていた債権
(CDO、債務担保証券)を、格付け機関は最も信用力が高い「AAA」と評価して
いました。今やそれらはジャンク(BB以下)に評価を下げられました。

格付け機関は債権を発行している組織から依頼を受けて格付けを行っていると
いうこともあり、客観的に評価できるのかという指摘を受けています。実際に、
証券会社などは、自分の商品をよく評価してくれる格付け機関を重宝するように
なったと言います。

金融機関への規制を強化しようという向きがありますが、格付け機関に対しても
何かしら対策を講じなければいけないとクルーグマン氏は強く訴えます。

何かの金融商品を買おうとするとき、基準がほしいと思ってしまう。
素人が信用するのはやはり格付けになるでしょうか。
しかし、その格付けがしっかりとしたものでなかったとしたら…。
どんな風に格付けされているか、その仕組みも知っておく必要がありますね。

記事に指摘されているように、債権を発行している組織からお金をもらって
その債権を評価する。そこに限界があるようにも思います。
もっと中立的な機関が必要になっているのかもしれないと思ったのでした。
by jungae | 2010-05-02 06:25 | NewYorkTimesの気になる記事
カナダはアメリカのすぐ近くにありながら、経済危機から早く立ち直り、
うまく立ち回っている――カナダから学ぶことがあると、Paul Krugman氏は
言います。Good and Boring(1月31日)という記事です。

危機のときにはニュースがないのが良いニュース。
アイスランドの金融危機は連日ニュースで報じられましたが、カナダに
ついては何のニュースも聞かない。
カナダがアメリカの良いロールモデルになると言います。

「カナダをつまらない」という人もいるかもしれないが(アメリカではこう
言われることがあるようです)、Krugman氏は、アメリカに似ている
けれど、いつもそうではないと指摘します。

「銀行」経営という点で言うと、「つまらない」はよい。

カナダは金利などはアメリカと連動していて、アメリカと変わらない中で、なぜ
金融危機からいち早く立ち直れたのか?
それは・・・

銀行がリスクを取る範囲に制限を設けた。
特に、借金に基づいた担保に基づいたレバレッジをコントロールしたから。

制限があることで、大儲けはできないものの、大損もしない。
金融危機ではその制限がうまく機能したと言います。

少しむずかしい話ですが、私流に解釈すると、
大きな賭けをするのではなく、健全な経営をするよう、銀行を指導した
ということではないかと思います。

記事を読んで、カナダについて「アメリカを小さくしただけで特徴がない」
ということを言っていたアメリカ人の友人がいたのを思い出しました。
ただ、似ているところもあれば、そうでないところもあるのですね。

私自身は学生の頃に1度トロントやモントリオールに行ったことがあるの
ですが、人々がとても優しく、アジア人の私にも真摯に接してくれたという
印象があり、住みやすい国かもしれないと感じました。

バンクーバーオリンピックが今週いよいよ開幕。
カナダに注目してみても面白いかもしれないと思ったのでした。。。
by jungae | 2010-02-09 09:33 | NewYorkTimesの気になる記事
アメリカはヨーロッパから学ぶことがあるとノーベル経済学賞受賞者の
ポール・クルーグマン氏は言います。Learning from Europe
(1月10日)という記事です。

アメリカでは保険改革が進んでいますが、それを推し進めるオバマ大統領
に対して、アメリカをヨーロッパスタイルの社会民主主義にするのではない
かと、保守層は警戒を強めているそうです。

ヨーロッパは経済が停滞し、高い税金や社会保障でいろいろな問題を抱え
ていると保守層は言いますが、クルーグマン氏はこの考えに反対です。
彼は言います。
「ヨーロッパは経済的に成功しており、その成功は社会民主主義は機能する
ということを示している」

パリやロンドン、フランクフルトを訪れたときに、人々は貧しく見えるだろうか?
決してそんなことはありません。

アメリカとヨーロッパの統計を比べると、1980年代以降のGDPの成長率は
アメリカが年3%に対して、EU12カ国が2.2%。
一見アメリカが勝っているように見えますが、国民1人当たりのGDPの伸び率
を見ると、ほぼ同じで、アメリカが1.95に対して、EUは1.83。

ITの分野では1990年代にアメリカが大きな飛躍を遂げて多くの企業が
育ちましたが、その後はEUが追いつき、ブロードバンドの環境では、ヨー
ロッパのほうが早いし、安いという現状になっています。

生産性で見ると、フランスやドイツの人たちの働く時間は少ないですが、
アメリカと比較すると、1時間当たりの生産性は変わりません。

クルーグマン氏は、社会的正義と発展はいっしょに遂げられると締め
くくっています。

私個人としては、イギリスの企業に働いていたこともあり、ヨーロッパの
人たちの暮らしには関心がありました。
イギリスは少し違うかもしれませんが、フランスやドイツの人は仕事を
ほぼ定時に終えて家に帰りますし(デパートなどは10分くらい前には
片づけが終わり、出ていってほしいという雰囲気が出ている感じがしま
した)、夏や冬には長期の休暇を取ります。
(「休暇のために働いているんだ」と堂々とおっしゃっていた方もいました。)

それで国が発展していないかというと、もちろんいろいろな問題はある
けれど、それなりに生活をエンジョイしているように思いました。
よい意味で、自然と仕事と生活のバランス(ワークライフバランス、もし
くはワークライフハーモニー)が取れているように思います。

クルーグマン氏が言うように、課題はあるけれど、ヨーロッパの人たち
の生活から何か学べるものがあるのかもしれないなーと感じたのでした。
by jungae | 2010-01-14 14:24 | NewYorkTimesの気になる記事
クルーグマン氏の経済学者に対する見方について、面白い(そしてとても長い)
記事(論文)を見つけたので、紹介します。How Did Economists Get It So
Wrong
?(9月12日)という記事です。

クルーグマン氏はプリンストン大学の教授で、ノーベル経済学賞を2008年に受賞しました。

ほんの少し前まで、多くの経済学者(特にマクロ経済学者)は、理論的にも、
実践的にも経済に関するあらゆることを実証し、黄金の時代を迎えていました。

しかし2008年にその状況は一変。
誰も想像できない金融危機が起こり、市場経済は混沌とした状態に陥りました。

経済学者には、“Saltwater economisit”(アメリカの海岸沿いの
大学がメイン)と“Freshwater economist”(内陸の大学がメイン)という
2種類があると言います。

Freshwater economistは新古典派とも言われ、人々は合理的に行動し、
市場は機能すると考えます。
一方で、Saltwater economistは、人々は常に合理的に行動するわけでは
ないので、政府の介入が必要とのこと(ケインズの考え方です)。

クルーグマン氏自身は、人々は常に合理的に行動できるわけではない、
間違いも行うので、ケインズの考え方に戻って、政府がある程度介入し、
監視していくことが大切だと述べています。
経済学者も自分の間違いを認めなければいけないと語っています。

これ以外にもいろいろと面白いことが書いてあるのですが、とっても長いので、
本当にかいつまんで紹介しました(興味深い論文ではあるので、関心がある方
はぜひ実際の記事を読んでみてください)。

私自身は、人はいつも合理的に行動できるわけではないかもしれないと思い
ます。「これほしい」と突然思い、衝動買いをしたものの、結局は全然使う機会
がなく、後悔していることも多々あります。
市場でも同じようなことが起こるでしょうか。
あまり規制をしてはいけないけれど、ある程度監視したりすることも大切な
気がします。

経済は少しだけ回復の兆しを見せていますが、本格回復にはまだまだ
時間がかかりそうです。

皆さんはどう思われますか?
by jungae | 2009-09-09 06:14 | NewYorkTimesの気になる記事
経済が少しずつながら回復しているというニュースを最近耳にするようになりました。
そのことについて、Paul Krugman氏が語った興味深い記事を見つけました。
Averting the Worst(8月9日)という記事です。

経済が回復したとは言いにくいのですが、1920年代のような世界恐慌は
避けられた、そこで政府の果たした役割は大きいと、彼は言います。

もちろん経済状況は依然とても悪く、経済危機以降670万人以上の人が
職を失い、それが改善されている様子はまだあまり見てとれません。
ただし、悪くなる速度がかなり緩やかなものになっているとは言えそうです。

そして、政府が果たした役割として、収入が減って経費(人員削減を含めて)
を削減した民間企業とは違って、政府は経費を削減しなかったことが大きい
と言います。税収は減ったものの、社会保障は継続し、公務員を削減しませ
んでした。一方で、金融機関を救済するために、賛否両論はありますが、
大きく介入し、資金を注入して、経営の安定を図ったことも大きいです。

経済がしっかりと回復できるかどうかには大きな不安があるが、最悪の
事態は免れたと感じ、それは「大きな政府」のおかげだと締めくくっています。

民間企業に任せれば、競争が生まれていいものができあがり、世の中も
良くなるという考え方もありますが、一方で、ある程度政府が介入し、いい
バランスで規制していくことも必要なのかもしれないですね。

経済が回復してきたとはまだまだ実感できませんが、少しずつでもいい
方向に向かってくれたらと思います。
by jungae | 2009-08-12 07:38 | NewYorkTimesの気になる記事
オバマ氏の大統領就任は2009年1月20日。今は過渡期にあり、この
政治の空白期間が経済にとっては、とても大きいとの指摘が出ています。
Paul Krugman氏のThe lame-duck economy(11月22日)という記事です。

2008年の今の状況を1932年の状況に類似しています。
当時は、経済、金融危機が起こり、人々が自由経済を推奨する共和党へ
の不信を強め、長期政権が終わりを遂げたときでした。民主党のルーズ
ベルト大統領が選出され、経済危機を打破すべく、ニューディール政策を
発表しました。
オバマ次期大統領に、多くの人が新ニューディール政策を希望している
と言います。

1932年と似ている点としては、この金融危機のさなかに、新大統領に移行
するまでに大きな政治の空白があることです。1932~33年にもルーズベルト
大統領の選出から実際の就任まで空白期間があり、その期間は現在よりも
長く、3月に就任しました。それが経済にとても悪い影響を与えたと言います。
共和党政権はとても不人気だったのですが、一方で新たに誕生する民主党
政権にはまだ何の権限もないという状態でした。

今はまさにその状況です。

ただし、そのときと決定的に違うのは、世の中の変化のスピードがその
ときよりもはるかに速いということ。この政治の空白期間は、そのときよりも
非常に大きな影響を及ぼすと言います。

Krugman氏が懸念する2つのDがあります。
“deflation”と“Detroit”です。

アメリカは90年代の“Lost decade(失われた10年)”の間に日本が体験した
デフレに突入している。一方で、Detroitにある自動車のビッグ3の状況は
とても深刻で、すぐにでも手を打たないといけない。

いくつかの方策は打っているものに、この経済危機に対応する方策を
打たれていないとのこと。この政治の空白期間にどんなことが起こるの
かを想像すると恐ろしいと締めくくります。

確かにブッシュ大統領の人気はひどいもので、各国の首脳はオバマ
次期大統領に会いたがっている。ただ、そのまだ権限がないために、
動きにくい。この経済・金融危機にとっては、大きな痛手だと痛感します。
by jungae | 2008-11-30 07:15 | そのほかの気になる記事
リーマンブラザーズの始まった金融危機。世界的に株価が下がり、
世界大恐慌以来の危機と言われていますが、先週から今週にかけて、
International Herald Tribuneで、面白い記事を発見。
ご紹介します。

10月17日 Let's Get Real
今年のノーベル経済学賞を受賞し、ニューヨークタイムズのコラムニストを
務めているPaul Krugman 氏の記事です。
金融経済の危機の影響で、アメリカの小売業や製造業も売上が減少し、
深刻な事態になっている。救済には「待ったなしの状態」。
政府が積極的に介入し、公共投資を増やす経済政策を進めていかないと
主張しています。
(Krugman氏は民主党の支持者と言ってはばからず、ブッシュ
政権やグリーン・スパン氏には批判的です。)

10月17日 Buy American
世界第2位の大富豪で、投資家であるWarren E. Buffet 氏の記事。
今こそアメリカの株価を買うべきだと言い、彼自身は個人でアメリカ企業の
株を買っていると言います。彼の理論はとてもシンプル。

「他人が貪欲になっているときには警戒し、他人が警戒しているときには
貪欲になる」

彼は長期の投資家で、1ヶ月や1年先はわからないが、これから5年、
10年、20年後は必ず企業は最高益を更新する。20世紀には世界恐慌、
2回の世界大戦など多くのことがあったが、アメリカのDOWは、66から
11497に上昇した。長期的な視点に立てば、今は買うときだと言います。
説得力があるなーと思いました。

10月19日 The Great Iceland Meltdown
『フラット化する世界』を執筆された、Thomas Friedman 氏の記事。
アイスランドがこの金融危機の影響をもろに受けています。
人口30万人のアイスランドは、自国を維持するのが大変。2002年以降、
銀行の民営化を進め、金融政策を柱にして、大きな成長を遂げてきました。
インターネットで取引できる、5.45パーセントの金利がつく預金を設け、
ヨーロッパ中からお金を集めていました。
特にイギリスでは人気が高く、多くの富裕層がお金を預けていただけでなく、
公共機関や大学(ケンブリッジ大学も入っているそうです)などがアイス
ランドの銀行に資金を預けていていたのです。イギリスのブラウン首相が
激怒したと言われています。
ただ、金融危機が明るみになって以降、その銀行の取引が凍結され、
お金の引き出しができなくなっています。アイスランドの首相が援助を
お願いしていますが、ヨーロッパ諸国は消極的で、ロシアに歩み寄って
いると言います。
アイスランドという小さな国も、この金融危機の影響を受ける。
クレディ・スイスがカタールの資金提供を得たり、三菱東京UFJがJP
モルガンに出資したりと、グローバリゼーションは否が応でも押し寄せて
います。世界がつながっていく中で、多国間の外交と規制は「必要」と
いうものではなく、「欠かせない」と、警鐘を鳴らしています。

Krugman氏やFriedman氏は定期的にコラムを書かれていて、
興味深く読んでいます。どれも考えされられる記事でした。
これからどうなっていくのか、注視していきたいです。
by jungae | 2008-10-22 06:03 | そのほかの気になる記事