アマプロ株式会社代表 林正愛が日々感じていることをつづります


by りんちゃん
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久しぶりですが、とても興味深い本を読んだので、本の紹介です。
「学力」の経済学』という書籍です。
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○経済学がデータを用いて明らかにしている教育や子育てに関する発見は、
教育評論家や子育て専門家の指南やノウハウよりも、よっぽど価値がある。

○どこかの誰かが子育てに成功したからといって、同じことをしたら自分の
子どもも同じように成功するという保障は、どこにもありません。

○教育経済学者の私が信頼を寄せるのは、たった一人の個人の体験記では
ありません。個人の体験を大量に観察することによって見出される規則性
なのです。

○日本ではまだ教育政策に科学的な根拠が必要だという考え方はほとんど
浸透していないのです。…米国は2000年代初めには、こうした状態を脱し
ています。…転換点となったのは、2001年にブッシュ政権下で成立した
「落ちこぼれ防止法(No Child Left Behind)]」です。この法律の中で、
実に111回も用いられている象徴的な言葉があります。それが「科学的な
根拠に基づく」というフレーズです。

○経済学者は、客観的な数字をもとに事実を示します。…「どういう教育
が成功する子どもを育てるのか」という問いについて、その原因と結果、
すなわち因果関係を明らかにすることです。

○人間には、どうも目先の利益が大きく見えてしまう性質があり、それ
ゆえに、遠い将来のことなら冷静に考えて賢い選択ができても、近い将
来のことだと、たとえ小さくともすぐ得られる満足を大切にしてしまう。

○「テストで良い点を取ればご褒美」と「本を読んだらご褒美」のどち
らが効果的?
授業時間や宿題などをインプット。学力などをアウトプットと考える。
学力テストや通知表の成績などをよくすること(アウトプット)にご褒
美を与えるのと、本を読む、宿題を終える、学校にちゃんと出席する、
制服を着る(インプット)などのことにご褒美を与えることについて、
実験を行った。
学力テストの結果が良くなったのは、インプットにご褒美を与えられた
子どもたち。

○ご褒美は「テストの点数」などのアウトプットではなく、「本を読む」
「宿題をする」などのインプットに対して与えるべき。アウトプットに
ご褒美を与える場合には、どうすれば成績を上げられるかという方法を
教え、導いてくれる人が必要である。

○子どものもともとの能力(頭の良さ)をほめると、子供は意欲を失い、
成績が低下する。良い成績を取れたときはその理由を「自分は才能がある
からだ」と考えたように、悪い成績を取ったときも「自分は才能がないか
らだ」と考える傾向があった。「よく頑張ったね」と努力した内容をほめ
られた子どもたちは、…問題を解こうと挑戦を続けました。努力をほめら
れた子どもたちは、悪い成績を取っても、それは「(能力の問題ではなく)
努力が足りないせいだ」と考えたようです。

○シカゴ大学のヘックマン教授は、学力テストでは計測することができ
ない非認知能力が、人生の成功において極めて重要であることを強調し
ています。また、誠実さ、忍耐強さ、社交性、好奇心の強さ―これらの
非認知能力は、「人から学び、獲得するものである」ことも。
おそらく学校とは単に勉強をする場所ではなく、先生や同級生から多く
のことを学び、「非認知能力」を培う場所でもあるということなのでし
ょう。

○どんなに勉強ができても、自己管理ができず、やる気がなくて、まじめ
さにかけ、コミュニケーション能力が低い人が社会で活躍できるはずが
ありません。一歩学校の外へ出たら、学力以外の能力が圧倒的に大切だと
いうのは、多くの人が実感されているところではないでしょうか。
私が「重要」と定義する非認知能力とは、
①学歴・年収・雇用などの面で、子どもの人生の成功に長期にわたる因果
関係を持ち
②教育やトレーニングによって鍛えて伸ばせる
ことが、これまでの研究の中で明らかになっているものです。

○人生を成功に導くうえで重要だと考えられている非認知能力のひとつは
「自制心」です。

○もうひとつの重要な非認知能力としてあげられるのが、「やり抜く力」
です。この能力は、ペンシルバニア大学の著名心理学者、ダックワース准
教授が「成功を予測できる性質」として発表して以来注目を集め、GRITと
呼ばれています。
「非常に遠い先にあるゴールに向けて、興味を失わず、努力し続けること
ができる気質」と定義しました。
非認知能力は成人後まで可鍛性のあるものも少なくないということがわか
っています。
「自制心」は筋肉のように鍛えるとよいといわれています。「やる抜く力」
は、「しなやかな心」を持ち、「自分のもともとの能力は生まれつきのもの
ではなくて、努力によって後天的に伸ばすことができる」ということを信じ
る子どもは、「やり抜く力」が強いことがわかっています。

かなり長くなりました。
これ以降も、少人数学級はいいのか(40人学級を35人にするのはそれほど
費用対効果は高くない)など、いろいろな興味深い話が載っています。

教育を科学的に捉えていくと重要性を感じるとともに、非認知能力の大切さ
は社会人として働いているとまさに重要だと実感させられます。

いろいろと考えさせるので、よかったらぜひ手に取ってみてください。
by jungae | 2015-09-09 07:23 |
オバマ氏が第44代大統領に就任しました。
マイナス7℃という中、200万人以上の人がワシントンで行われた就任式を
訪れたとか。すごい熱気でしたね。
課題が山積していますが、がんばってほしいと願っています。

IHTでは、就任演説をはじめ、様々な記事が載っていたのですが、
その中で気になる記事を見つけました。
First Family Reflects a nation's diversity(1月21日)の記事です。

2003年のオバマ氏の姉妹の結婚式に参列した人の写真を見ると、国籍も、
人種も、宗教も違う、いろいろな人が載っています。言語も、英語、インドネ
シア語、フランス語、広東語、ドイツ語、ヘブライ語、スワヒリ語など、様々な
言葉を話す人ばかり。この多様性がアメリカ的であるというのです。
一方で、奥様のミッシェルさんの家族は5世代前までは奴隷だったとのこと。

ただ、どちらの家庭にも共通しているのは、教育の大切さを認識し、子ども
たちにできるかぎりの教育を受けさせたこと。
オバマ氏のお母さんはインドネシアにいるときに、朝4時に起こして英語の
レッスンを受けさせ、ミッシェルさんのお母さんは算数や英語のようワーク
ブックをいっしょにやったということです。
お互いにハーバードのロースクールで勉強し、弁護士資格を取得していますね。

教育を受けることで、選択肢が広まり、チャンスも増えていくのだと実感しました。
by jungae | 2009-01-26 11:55 | そのほかの気になる記事