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アマプロ株式会社代表 林正愛が日々感じていることをつづります


by りんちゃん
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IDEO CEO Tim Brown氏の講演

こんにちは。久しぶりに大学院でのこと。
(どの大学院に行っているか、覚えていますか?! 慶応義塾大学大学院
メディアデザイン研究科
というところです。)
実は全然行けていないのですが、先日世界的なデザイン会社である、
IDEOのCEOのTim Brown氏が来日し、講演会がありました。
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いろいろと考えさせられることを言っていたので、まとめてみます。

◆Creativityがますます重要になっていて、デザイン思考も国境、様々な分野を
超えて注目されている。IDEOでは、デザイン思考をどのように使っているのか?
デザインはとてもマジカルでミステリアス。未来をつかんで今の持ってくるよう
なもの。世の中に好奇心を持ち続けることで、疑問を持ち続けることになる。
「なぜ私たちはこれをするのか?」「なぜうまく行っていないのか?」
デザイナーは最初は個人的にスタートするが、コラボレーションをすることで
さらに広がっていく。
直感がそれが現実的なもの、具体的で、実態のあるものになる。
デザイナーは直感的にやるが、デザイナーでない人にとってもデザイン思考は
とても大切。より複雑な問題に立ち向かうとき、それはとても重要になる。
Cocreate(共創)、コラボレーションの時代。多様なバックグラウンドを
もった人を持つことは大切。
デザイン思考はプロセスではあるが、直線的ではない(Linear)ではない。
直線で使う時もあれば、ときに脱線する必要もある。フレキシブルは大切。
問題が複雑になればなるほど、デザイン思考と従来の手法をうまく組み合わ
せることが大事。

◆慶応などの高等教育機関はMOOCSなどのオンライン教育(MITや
Stanfordなど)の脅威にさらされているが、どう思うか?
教育をより多くの人が受けられるという意味では、オンライン教育はいい。
IDEOもあるオンラインコースを大学と一緒にやっているが、50%の修了率
を誇り、評価が高い。修了率を上げる秘訣としては、3人以上がチームを組
んで、実際にコラボレーションして課題に取り組むことを課した。
高等教育にいろいろな選択肢があっていのではないか。高校を出て働いて
戻ってくる。働いてまた学校に行くなど。
大学という形式が生まれて1000年以上たっているが、その形は全然変わっ
ていない。Researchとteachにばかり力を注いできた。それはもう遅いの
ではないか。Design思考はまた違う視点で教育を捉えている。
全員が大学に行かなくてもいい。ドイツの制度はいいのではないか(マイ
スター制度など)。

◆伝統的な会社はデザイン思考をどう使えるか?
昔のパラダイムは…
大部分は変わらず(同じ)、少しだけ変わる
しかし今は…
大部分が変わり、少しだけ変わらず(同じ)。
環境が劇的に変化し、仮説も変わっている。
それに合わせて組織のデザインも変わる必要がある。効率性を求めるやり
方はもう時代遅れで、危なくさえある。キャパシティを広げないといけな
い。新製品開発の重要性が高まっているが、それがうまくいっていない。
大企業にも果たす予定が大きい。ニッチではなく、マスをターゲットに
しているから、そこが変わるとインパクトも大きい。
組織は常にイノベーションを続けないといけない。

◆世界的な課題、様々な知識をどう集約して社会に貢献していくか、
そこにデザイン思考をどう使えるか?
ある途上国の女性の妊娠問題に取り組んでいる。NPOと組んだり、政府
と連携したりしている。短期的なリターンを求めるものだけでなく、
長期的にビジネスを考えていくものも今後は見ていく。

◆IDEOの中でどうコミュニケーションをしているか?
Onlineのプラットフォームがあり、そこで情報共有をしている。
「10 challenges in five years(今後5年間の10個のチェレンジ)」
というのを設け、議論をしている。

◆世界経済フォーラムで、circular economy(循環経済)というのが
話題になったが、どう思うか?
現実はかなり複雑だと思う。ものの作り方自体を変えないといけない
こともある。Biology(生物学)は今後あらゆる人が学ぶ必要があるの
ではないか。
本当にcircular economyが本当に可能かどうかを考えないといけない。

◆Creative economyが言われるようになっているが、そのいい例と
なる都市はあるか?
Creative economyがどういうものかしっかりと定義する必要はある。
私の定義はいわゆるクリエイティブ産業(エンターテインメント、建
築など)と他のあらゆるセクターの産業が協力し合い、作っていくも
のだと考えている。
韓国はいい例と言えるかも。15年前までは全然その考え方がなかっ
たが、「K-pop」をはじめ、音楽、映画をうまく売り出している。
テキサスのオースティンも、ライブ音楽を楽しめる場所として売り出
している。シリコンバレーもそういう動きがあり、フィンランドやシ
ンガポールも面白い。

◆何か聴衆にメッセージはあるか?
日本には大きな可能性があると思う。小売りは素晴らしいし、食文化
もある。起業家への投資を積極的にすべき。特に、初期投資はある程
度もらえるが、スケールアップを助ける投資は必要ではないか。
オリンピックはひとつの大きな契機になり、ツーリズムも流行るので
はないか。伝統的なものと新しいものをどう見せていくか。伝統的な
ものと新しいものをつなげている人が必要。

◆Creative leadershipについて
1つにはCreative entrepreneursがいる必要がある。2つには、組織や
政府でリスクをとって、そういうアントレプレナーズを支える仕組み
が必要。

◆失敗(Failure)を恐れる文化があるが。
失敗をよしとしない文化は他の文化でもある。ただし、何か新しい
ものができるということは、その下に数多くの失敗があるから。
失敗(Failure)という言葉自体がおかしいかもしれない。「それで
終わり」みたいな印象を受ける。
「学び」ではないか。
個人、組織、政府、学んだ知識をどう使うかが一番の課題。
アメリカは失敗から得たもの、知識を活かしてきた。
How can we maximize the learning(学びをどう最大化できるか)?

答えは一つではない。
答えが一つという文化があるし、教育を通じてそれを教えこまれて
いるところがある。
世界が全て定義されているとは思うな。新しい答え、ソリューショ
ンが常に出てきていて、クリエイティビティを養う必要がある。

◆ダイバーシティとはどれくらいのものを指すのか?
公式というものがあるわけではない。自分と異なる価値観をもった
人を入れること。ただし、Diversity of mindset(マインドセットの
多様性)というのもあり、1人の人の中に、様々なダイバーシティを
持っている人もいる(いろいろなところに旅をし、いろいろな人に
会い、文化に触れたりなど)。

◆Creative Entrepreneurs
トップダウンだけでもだめで、草の根レベルのものも必要。上と下
から押していくことで、徐々に変わっていく。

かなり長くなってごめんなさい。
私自身は実はちょっとしたところなのですが、以下が気になったの
です。
==
起業家への投資を積極的にすべき。特に、初期投資はある程度もら
えるが、スケールアップを助ける投資は必要ではないか。
==
起業、起業と言われるのですが、ある程度小さなものはできても
それをどうスケールアップするか、悩んでいる人もいるのでは
ないか。その支えは必要ではないかと思ったり。
実際に起業して、ただ、現実問題としては、家を買うときとか
にしたときに、無名の会社だとなかなかローンがうまく組めな
かったりして、そういう制度も見直していくべきではないかなー
とも思います。

ちなみに、日吉はいちょうがもう少しで色づきそうで、きれいでした。
e0123104_9272333.jpg

きれいな黄色になるのは、あともう少しでしょうか。

実は修士論文の提出が12月19日。
1カ月を切りました。ちょこちょこ書いているのですが、あともう一息。
がんばります。
by jungae | 2014-11-20 13:34 | KMD大学院生活
クリエイティブ・マインドセット―想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
という書籍を読みました。
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世界的なイノベーションとデザインのコンサルティング会社であるIDEOの創設者
であるDavid Kelly氏です。とても面白いことが書いてあったので、ご紹介します。

〇「人間はみんなクリエイティブだ!」
IDEOでサポートした人々は、経歴こそさまざまだったが、一つだけ共通点が
あった―みな創造力に対する自信(Creative Confidence)を獲得していた。
Creative Confidenceとは、「自分には周囲を変える力がある」という信念を
指している。自分の創造力を信じることこそ、イノベーションの「核心」をなすもの。

〇創造性は、みなさんが一般的に思っている”芸術的”な分野よりも、もっと幅広
く普遍的な分野で活かすことができる。私たち筆者の考える創造性とは、想像力
を使って、今までの世界にないモノをうみだすことだ。つまり、創造性とは、。新し
いアイデア、解決策、アプローチを生み出すために発揮できる。

〇創造性を一から生み出す必要はない。人がすでに持っているもの――世界に
ふたつとないアイデアを創造したり発展させたりする能力――を再発見する手
助けをするだけでいいのだ。しかし、アイデアを実行に移す勇気を奮い起こさな
いかぎり、創造性の真の価値は発揮されない。つまり、新しいアイデアを思いつく
能力と、アイデアを実行に移す勇気――このふたつの組み合わせこそが、創造力
に対する自信(Creativity Confidence)の特徴と言えるのだ。

〇技術中心ではなく、人間を中心とした視点から問題を見つめることで、新しい変
化が次々と生まれてくることもある。
関わったイノベーション・プログラムは、3つの円が重なり合っている。ひとつ目は
「技術的要因」、2つ目は経済的実現性、「ビジネス的要因」、3つ目は「人的要因」
人間のニーズを深く理解すること。
人間中心の考え方は、イノベーション・プロセスの基本だ。人々に深く共感する
ことで、観察を強力なインスピレーション源にすることができる。
成功するイノベーションは、技術的要因とビジネス的要因のバランスをとると
ともに、人間中心のデザインによる調査の要素を何かしら取り入れている。

〇デザイン思考とは、デザインを実践する人々の道具や考え方を用いて、
人間のニーズを発見し、新しい解決策を生み出すための手法。デザイン思考
を使えば、個人、社会、ビジネスの様々な問題を、クリエイティブかつ斬新な
方法で解決できる。
デザイン思考では、直感的に物事をとらえ、パターンを認識し、機能的なだけ
でなく、感情的にも意義のあるアイデアを組み入れる。人間の天性の能力を
用いる。とはいえ、後からその能力を身につけるのも可能だ。
容易には分析できない問題や、確かな基準やデータが十分にない問題を抱
えている場合、デザイン思考の共感やプロトタイピングを使うことで、前に進
む足がかりになるかもしれない。

〇スタンフォード大学の心理学教授のキャロル・ドゥエックは、しなやかなマ
インドセットの持ち主は、人間の真の潜在能力は未知(しかも不可知)であり、
何年も努力、苦労、練習を積めば、予測もつかないようなことを成し遂げられ
ると信じているという。

〇人々に小さな成功を積み重ねさせることで、自分の創造力を疑う気持ちを
払いのけることができる。そして、その体感は残りの人生に絶大な影響を及ぼ
すこともある。
”天才的ひらめき”が訪れるのは、他の人よりも成功率が高いからではない。
単に、挑戦する回数が多いだけなのだ。つまり、他の人よりもゴールに向かっ
てシュートを打つ回数が多いわけだ。これはイノベーションの以外で面白い
数学的法則だ。もっと成功したいなら、もっと失敗する心の準備が必要。
ベンチャー・キャピタリストのランディ・コミサーによれば、シリコンバレーの
ような起業の中心地が他と比べて違うのは、成功の大小というよりも、失敗
に対する対処の仕方なのだという。起業家を育む文化では、コミサーのいう
「建設的な失敗」の価値がより高く評価され、理解されている。
私たち全員にとって必要なのは、新しいアイデアを試す自由だ。
失敗から教訓を学ぶには、失敗に責任を持つ必要がある。間違いを認める
ことは、前に進むためにとても大事だ。
作家で研究社のブレネー・ブラウンは、恥の体験について多くの人々に
話を聞いた結果、3人に1人が「創造性の傷」を抱えていることを発見した。
つまり、芸術家、音楽家、坂、歌手としては才能はないと言われた瞬間を
はっきりと覚えていた。
自分からクリエイティブな人間をやめてしまう人があまりにも多い。

〇創造性を手に入れるには、人と比べるのをやめるのが一つの方法。
ハンガリーの随筆家、ジェルジュ・コンラッドはこんなことを言っている。
「勇気とは、小さなステップの積み重ねに過ぎない」

〇個人であれ組織であれ、イノベーションはどこでも起きうる。その火種と
なるのは、飽くなき知的好奇心、楽観主義、最終的な成功のために何度も
失敗することを受け入れる能力、懸命に働く意欲、アイデアだけでなく行動
を重視する考え方。

〇クリエイティブな力を伸ばすために日頃から心がけたい方法
①クリエイティブになると決意する
②旅行者のように考える
③「リラックスした注意」を払う
④エンド・ユーザーに共感する
⑤現場に行って観察する
⑥「なぜ」で始まる質問をする
⑦問題の枠組みをとらえ直す
⑧心を許せる仲間のネットワークを築く

〇個人であれ、組織であれ、イノベーションや創造性にとって行動や改良
の繰り返しがどれだけ欠かせないものかがわかる。
スタンフォード大学の大学院課程で学ぶアンキットの言葉。
「創造性とは常に結果論だということを学びました。問題を解決するたったひとつ
の名案をずばっと思いつくのが創造性ではありません。何百回と試行錯誤を繰り
返した末に最良の解決策にたどり着くのが創造性なんです」
すばやく大量の実験を行なうには、計画段階で立ち止まってはいけない。いかに
早くアイデアを行動に移せるか――それがイノベーションのすべてなのだ。

〇想像力に対する自信を持つ人々の特徴の中で、私たちがもっともかんしんする
もののひとつと言えば、傍観者ではないという点だ。どんなに困難な状況でも、
他人の言いなりや被害者のような行動を取ったり、感情を抱いたりすることは
ない。彼らは能動態の世界に住んでいる。

〇クリエイティブになるための第一歩とは、傍観者でいるのをやめて、アイデアを
行動に移すことなのだ。「~だったらいいのに」と思ったときには、少し立ち止まっ
て、「今日じゅうになんとかできるかも」と自分に言い聞かせてみる。

〇「バグ・リスト」を書き留める。
私たちは日々、うまく機能していない製品、やたらと時間のかかるサービス、
どう見ても間違っている設定に囲まれている。「どこかがおかしい」と気づく
ことは、その問題のクリエイティブな解決策を思いつくための必須条件。
改善の余地のあるものを髪切れでもスマートフォンでも記録していけば、
より積極的に世界と関われる。このバグ・リストを更新していけば、新しい
プロジェクトを探している際に貴重なアイデアの源となる。

〇組織の中でイノベーションの文化をはぐくみたい場合、以下の5つのコツが
ある。
1 ユーモアのセンスを忘れない
2 ほかの人のエネルギーを活用する
3 上下関係をなるべくなくす
4 チームの仲間意識や信頼を重視する
5 評価を(少なくとも一時的に)後回しにする

かなり、長くなり、ごめんなさい。
ただ、いろいろと参考になることがあり、書き留めてしまいました。

ちなみに著者は日本びいきで、日本人は本当に本当にクリエイティブだと
いいます。実際に世界5カ国5,000人を対象とした最近の調査によると、
日本以外の国の回答者たちは日本が一番クリエイティブな国だと答えた
のに、日本がもっともクリエイティブだと答えた回答した割合は、日本が
一番低かったそうです。
想像力に対する自信(Creative Confidence)が必要ですね。

技術ではなく、人間を中心に、人の視点でいろいろなことを観察し、問題
点を見つけたらすぐに行動に移し、改善する。それをいかに早く繰り返し
ていくか。それができるかどうかがとても大切だなーと感じました。
ただ、それをやるパワー、モチベーションをもちつづけられるかどうかにも
かかっているのかなーとも思いました。

みなさんはどう思われるでしょうか。
by jungae | 2014-09-18 06:55 |